2月15日、スポーツスポンサーシップジャーナル第1回セミナーとして「メルカリの考えるスポーツスポンサーシップ」が開催された。第1回目に講演いただいたのは、株式会社メルカリのマーケティンググループ清野圭亮さん。Jリーグ鹿島アントラーズ、ネイマールとのパートナーシップに至った経緯、どんな取り組みを行ったのかなどを話していただいた。

株式会社メルカリ 清野圭亮氏
まず、鹿島とのパートナーシップに至って経緯については、同社の役員の知人による紹介がきっかけだった。そしてメルカリのメインユーザーは若い世代の女性、鹿島のファン層は30代以上の男性ファンである中、一方でメルカリは30代以上の男性ユーザー、鹿島は若い女性ファンの増加を課題としていた。そんな関係性からパートナーシップを結ぶことで互いに補完しあえるシナジー効果が期待できるといった要因が大きかった。
そしてメルカリが、まず目指したのは鹿島のサポーターに同社を受け入れてもらう、インパクトのある施策を行うことでの人々の注目を集めることだった。そのために以下のような取り組みを実施している。
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◎2017年4月7日の契約発表後、翌日のホームゲームでアクティビティー
・スタジアム前に巨大ウォールを設置してのメッセージ、ノベルティ提供
・チームグッズのメルカリ出品
◎2017年9月9日に初の冠試合(mercari day)を実施
・試合前練習等の疑似体験ができるVR動画(スタジアムWifi利用初事例)
・試合前のトークショー&LIVE出品
・ハコスコ配布(20,000個)、特製ポップコーン配布 等
もう1つ、メルカリが行った代表的なスポーツスポンサーシップが、サッカーの世界的スーパースターであるネイマールとの契約。これは代理店からの紹介で、日本のIT企業と先方からやりたいという話がまずあった。そしてメルカリとして、本気でグローバル市場で戦う姿勢を見せる為のアイコンとしてネイマールは申し分のないネームバリューがある。 国内外でのさらなる認知拡大といった目的でパートナーシップを締結することになる。
そして1億ダウンロードのタイミングでローンチし、 一般的にはメルカリ×ネイマールという良い意味で驚きを与える違和感を最大限に広げていく為に Twitterでのプロモーションを積極展開していった。
実際にどこまでメルカリのビジネスに貢献しているのか。その点については、会社としては売上(取引金額)が1つの大きな指標となる事もあり、直接的な効果は測定が難しい。その為、CPI、CPA(インストール後の出品、購入)等のオンライン広告における獲得コストを参考に効果を測定する考え方を持ち、メディア露出、スタジアムでの露出に頼らず、最終的に投資回収が出来る様コストバランスをみていきたい、というスタンスである。
今後についてはスポーツxITで常に新しいものを提供していきたい。また、育成など日本のスポーツ界の発展に寄与したり、鹿島など地域活性化にも貢献できる取り組みを行っていきたいと締めくくってもらいました。