・フランス発の高級シャンパンメーカーとテニスの4大オープンとのパートナーシップ
・オーストラリアでの新規市場開拓のために、富裕層比率の高いテニスの全豪オープンを選択
・大会が開かれる会場内にシャンパンハウスを設置、富裕層向けに予約客限定の接客サービスを提供
富裕層の多い大会の特徴にあう公式シャンパンパートナー
テニス全豪オープンがフランスのシャンパンブランド『Piper-Heidsieck』と3年間のパートナーシップ契約を締結。これにより大会中、同社の商品を提供するシャンパンハウスを設置。また、会場内レストランなど飲食スペースでも提供される。
Piper-Heidsieckは1785年創業でフランス王室の御用達やカンヌ映画祭の公式シャンパンを務めるなど、高級ブランドとしての確固たるイメージを確立している。テニスの中でも特に4大大会といえば、他のプロスポーツと比べても富裕層の観客が多いと言われている。そして、全豪オープンも富裕層向けのサービス充実に力を入れている。例えば大会期間中には公式レストランとして、スポーツ観戦のついでと言ったカジュアルなものではなく、予約客限定とするしっかりした接客サービスを提供するお店も複数オープンしている。
非日常なイベント感をより提供し、SNSなどでPRしてもらう
だからこそ大会側にとって、このパートナーシップは富裕層へのホスピタリティー向上における1つの施策として多いにアピールできるものだ。また、主催者であるオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)の売上部門の最高責任者となるCFOは、今回の契約に際し「ソーシャライズと特別なイベント感は、大会のPRにおける鍵となる部分」とコメントしている。スポーツ観戦でのシャンパンは非日常的な特別感を出し、実際に飲んだ人にSNSでの投稿したくなるイベント性を備えているものだろう。
Piper-Heidsieckにとっても富裕層はまさに自分たちのメインターゲットとしている顧客カテゴリー。さらにフランス発祥で欧州を主要マーケットとしている同社にとって、全豪オープンは新しいマーケットの開拓にもつながるパートナーシップとなるだろう。
競技振興の観点であり、裾野を広げるために手軽な値段でビッグイベントを観戦できることは大切だが、一方で主催者としてはいかに多くの収益を挙げるかは最重要事項の1つ。高額チケットを購入できる富裕層にさらに会場でお金を使ってもらうサービスを工夫していく傾向は、テニスに限らず今後はより強まっていくのではないだろうか。