- 生命保険会社と地元プロスポーツチームのパートナーシップ
- キャンプ期間中スタジアムまでの道を子供達と一緒に子供用自転車で移動するイベントを再開
- 地元子供達に特別な体験を提供することで地域に貢献し、信頼醸成を目指す
コロナ禍で中止していた子供と選手の触れ合いイベントが復活
今、世界ではコロナ禍の前の生活様式に戻りつつある。それに伴い欧米のスポーツ界ではここ数年、休止されていた参加者と触れ合う形のスポンサーアクティベーションも復活してきている。その1つとして紹介したいのが、北米アメリカンフットボールNFLのグリーンベイ・パッカーズが生命保険会社『アメリカン・ファミリー・インシュランス』が冠スポンサーとなって行っている『Dream Drive』という取り組みだ。
これはシーズン開幕前にパッカーズが地元で開催しているトレーニングキャンプ期間中のイベント。キャンプで利用するスタジアムに向かう選手たちが、指定された通路を同社が募集した子供たちの自転車に乗って子供たちと一緒にスタジアムへと入っていくものだ。子供たちの自転車ではなく、同イベントが用意した特製の巨大3輪車に選手と一緒に乗って移動することもできる。
選手を間近で見ることができるため、選手と子供たちの通路の周りにはパッカーズファンが集う。子供たちにとっては、多くの人々の視線が集まる中で憧れの選手たちと触れ合いながら一緒に移動できるのは一生ものの思い出となる貴重な体験だ。
このアクティベーションは2005年から始まっているパッカーズのキャンプの定番イベント。参加した子供、その両親が同社に対して好印象を持つのは当然のことだが、こうして多くの人たちが見回る中で子供たちに貴重な経験を提供していることで、この様子を見ている人たちへのブランドイメージ向上にもつながっている。保険はよほどの専門家でない限り、各社のサービスの違いを見分けるのが難しく、だからこそ会社へのイメージが商品選択に大きな影響を及ぼす。Dream Diveは、顧客獲得にも少なくない影響を与えているはずだ。
王道を長く続けていくからこそ獲得できる信頼もある
アメリカン・ファミリー・インシュランスは全米展開している一大企業であるが、創業はパッカーズの地元ウィスコンシン州のマディソンだ。ウィスコンシンはアメリカの中でもスモールマーケットではあるが、自分たちの拠点の人気スポーツチームのパートナーを長年務めている。そしてコロナ禍による中断がありながら、今回しっかりと再開させていることで、同社の地域愛、地域貢献への高い意識を示せている。
Dream Diveの取り組み自体は、最新のテクノロジーを使ったりする大掛かりなものではなく、子供と選手の触れ合いを主目的としたシンプルなものだ。ただ、継続していくことで定番となり、今や多くのファンに認知され様々な効果を同社にもたらしている。王道を続けるからこそ得られるものがある。継続は力なりを示す良い例だ。