・セクシーな衣装の女性による接客で有名なレストランチェーンとプロレーシングチームのパートナーシップ
・両者の主な顧客層は成人男性で一致
・成績連動型の割引クーポンを発行し、店頭誘導を図る
NASCARの若手人気ドライバーの成績連動で特典提供
日本にもチェーン展開しているレストラン『フーターズ』がNASCARの強豪チームであるヘンドリックモータースポーツとパートナーシップ契約を2019年からの3年契約で延長している。この結果、同社は年間3レースにおいてヘンドリックスに所属するチェイス・エリットのプライマリースポンサーを務める。該当するレースでは、エリオットの運転する車のボンネットにフーターズのロゴが大きく掲出される。
ちなみにエリオットは、父親も名ドライバーでNASCARを代表する人気若手ドライバーの筆頭格。フーターズは現在も彼のスポンサーを務めている。そして彼がトップ10でゴールした場合、ドリンク注文でフライドピクルスを無料贈呈。優勝した際には、ボンレスチキン10個注文でさらに10個追加できるサービスを店舗で実施している。
また、同社の公式HPでも大々的にPRしている彼のための特設サイトをオープン中だ。このサイトを通じ、25ドル以上の料金で5ドル割引となるクーポンを発行する会員を募集している。会員にはメールでレース結果などを配信し、エリオットのファン向けに様々な情報を提供している。
Nicely done, @ChaseElliott! To celebrate the P6 finish, we’re giving fans free fried pickles tomorrow- just buy a drink. #di9 pic.twitter.com/K57kJXZEGJ
— Hooters (@Hooters) November 4, 2018
モータースポーツに熱心というイメージ確立へ
フーターズといえばタンクトップ、短パン姿の女性が接客を主に担当するなど、レストランチェーンではあるが、ファミリー層ではなく大人の男性をメイン顧客に設定している。そして、NASCARのレース会場といえば観客を飽きさせない様々なエンターテイメント満載となっていてファミリー層も少なくないが、レースの結果までしっかりと追い続けるメイン層は成人男性となっており、両者はメインの顧客が一致している。
それだけに、NASCARのさらに人気ドライバーをサポートしていることは、同社のブランドイメージ向上につながるだろう。そして、特設サイトからの会員登録や、レース結果を受けての特典を申請する人のデータを集積することで、具体的にどんな年齢層、どの地域でこのパートナーシップの利用者が多いかなどを知ることができる。費用対効果を算出する上でも、効果的なアクティベーションと言えるのではないだろうか。
ちなみに同社によるモータースポーツのスポンサー活動はアメリカだけではない。複数の店舗を展開している日本でもオートバイの人気レースである鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦する『チタニウムパワー・レーシング』をサポートしている。
また、今回の契約延長の際、フーターズのチーフ・マーケティング・オフィサーは「私たちはレースファンの集うフーターズでないと得られない体験を継続して提供していきたい」と、“フーターズはモータースポーツに熱心”という印象を高めていきたい意向を示している。これからNASCARのレース当日にはスポーツバーのような感覚で、より多くのファンが来店するようになっていくのかも興味深い。