・NYのプロスポーツチームと、人気OB選手、ビールメーカーとのパートナーシップ活動
・コロナ禍でスタジアム観戦ができない代わりに、人気OB選手おすすめのフードと缶ビールのセットを配達するサービスを実施
・売り上げは、OB選手が支援している地元のフードバンクの活動に寄付される
・配達エリアは富裕層が多く居住するNYのマンハッタン、ということで、商品のターゲット層とも合致


社会貢献活動となるスタジアムフードの配達サービスを実施

新型コロナウィルス感染対策により、いつものスポーツ観戦ができない状況は今後もしばらくの間は続く見通しだ。そんな中でも各チームは、様々な工夫をこらした企画を実施することでライブ観戦ができないファンの関心をつなぎとめようとしている。そこにはAR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの最新技術を使ったデジタル空間におけるファンサービスと共に、本来のスタジアム観戦にあるものを提供するリアルな施策も重視されている。

北米アメリカンフットボールNFLのニューヨーク・ジャイアンツは、OBの元人気選手ビクター・クルーズ、ベルギービールブランドのステラアルトワ(Stella Artois)と共同で『Stadium bites with Stella Artois』と名付けたサービスを実施した。

これは10月22日に行われた同地区ライバルであるフィラデルフィア・イーグルスとのアウェーゲームにおいて、クルーズお薦めのスタジアムフードをステラアルトワの缶ビールセットと一緒に配達するもの。フードはハンバーガー、ホットドック、フライドポテト、フライドチキンと定番のものだが、それを世界的な女性有名シェフのダニエラ・ソト・インスが監修していることで味をより高めているのが特徴だ。

このサービスの売り上げは、全て経済的に恵まれない人々の食糧支援を行っている地元ニューヨークのフードバンクに寄付される。そのため、ジャイアンツ、ステラアルトワにとってはクルーズが積極的に取り組んでいるチャリティ活動をサポートする社会貢献となる。

対象を絞ることでより効果的なマーケティングが可能に

ステラアルトワにとっては好感度を高めつつ自分たちの商品を手に取ってもらえる理想的なサービスだ。ちなみにメニューはどれもビール6缶セットなどいろいろなものが入ったセットとなっていることもあり、1セットにつき25ドルからと高額。また、配達エリアは、主に富裕層の住むマンハッタン地域ということで注文する客層は絞られてくる。

ただ、限定されるのは悪いことではない。同ブランドはアンハイザー・ブッシュ・インベブ社の中でバドワイザー、バドライトといった主要ブランドに比べると値段は高く、自ずと所得が高い人たちが顧客層となる。だからこそ、著名シェフのインスがメニュー作りに関わっていることの効果もより大きくなる。

ステラアルトワにとって今回の企画は、まずNFLの人気チームに所属していた元スター選手と一緒に実施することで抜群の露出力が生まれ、自分たちが社会貢献活動を多くの人々に告知できるものだ。さらに付随して顧客ターゲットにピンポイントでPRできることで、マーケティングの観点からいっても非常に価値があるものとなっている。1つの企画に様々な意味を持たせているところは、多くの企業がアクティベーションを行う時に参考になる視点だ。