・大手金融サービスとプロスポーツチームのパートナーシップ
・コロナ禍の損失を補填するために、リーグがヘルメットへの広告出稿を解禁。企業は本社のある地元チームのヘルメットスポンサーになりロゴを掲出。
・試合での露出が増えるだけなく、企業ロゴ入りヘルメットを地元の子供達に寄贈。


コロナ禍の損失を補う目的もあり、NHLでヘルメットへの広告掲出が解禁

他のプロスポーツと同じく北米アイスホッケーリーグNHLも新型コロナウィルス感染拡大によって様々なダメージを被った。それは新シーズンも変わらない。他の北米プロスポーツに比べ、7チームとカナダのフランチャイズが多いNHLは、現在カナダと米国間の移動では14日間の自主隔離期間が必要で両国間をまたいでの移動を伴ってのリーグ戦の実施が困難と判断。地区編成を変え、カナダの7チームのみでレギュラーシーズンを行うノースディビジョンを誕生させるなどいろいろな対策を打ち出している。

ビシネス面においてもレギュラーシーズンが82試合から56試合に短縮され観客制限、もしくは無観客での開催を余儀なくされることで引き続き大きな損失が予想される。少しでもこのマイナス面を補うための代表的な対策が、リーグの歴史で初となるヘルメットへの広告掲出だ。そして、全チームで最初にこのスポンサーシップ契約の締結を発表したのが、ニュージャージー・デビルズとプルデンシャル・ファイナンシャル社だ。

金融・保険サービスの業界では全米随一の規模を誇るプルデンシャルだが、本社をデビルズの本拠地であるニューヨーク州ニューアークに構えていることもあり両者の関係は長い。デビルズのホームアリーナの命名権を施設がオープンした2007年から20年契約で取得しており、地元の人々にはプルデンシャルセンターの名前でお馴染みとなっている。

このヘルメットスポンサーの契約によってデビルズを通してのプルデンシャルの露出はさらに増すことになるが、それは試合観戦を通してだけではないのが注目すべき点だ。

ロゴ入りヘルメット寄贈による地域貢献活動も実施

今回のプルデンシャルのロゴ入りヘルメットは、ニュージャージーでアイスホッケーをやっている子供達に寄贈される。両者はこれまでも共同でニューアーク周辺地域を対象にした様々な地域貢献活動を行なっているが、今回のヘルメット寄贈もその1つとなる。

アイスホッケーをやっているユース世代にとって、憧れのNHLチームと同じヘルメットをもらえるのは単純に嬉しいもの。そして、彼らの親にとっては用具代の節約につながる歓迎すべきものだ。また、保険サービスは同業他社との差別化が難しく、ブランドイメージがどの会社に加入するのか少なくない影響を与えると見られている。このヘルメットを通してアイスホッケー少年少女の親がプルデンシャルを日常的に目にする機会を創出することは、同社への親近感を高める効果を大いに期待できるはずだ。

プルデンシャルの取り組みは単に広告を掲出するだけでなく、そこから地域貢献活動まで繋げている。それを実行することで、顧客ターゲットであるファミリー層へのより強いイメージ向上を狙っていける。様々な波及効果まで考えられたスポンサーシップと評価すべきものだ。

また、NHL全体における今回のヘルメットスポンサーの契約状況を見ると、ホームとアウェーでロゴ掲出の企業が違うところが複数あるなど、各チームの取り組みは引き続き注目していきたい。