- 女子スポーツリーグと銀行のパートナーシップ
- カップ戦、オールスターゲーム、ドラフトと主要イベントの公式パートナーにも就任。
- 現役選手とOGを対象にしてファイナンスに関する教育の提供、アドバイザーへの個別相談、引退後に向けたビジネススキルを習得をサポートする。
- WNBAとNPO団体の協力の元、行政の十分なサポートを受けられない地域の若い女性、特にマイノリティー層の経済的な自立を支援する。
90億円以上を投資家から調達するなど、リーグ発展へ積極的に動くWNBA
北米女子バスケットボールのWNBAは世界最高峰の女子バスケリーグで、5月から始まる新シーズンには東京五輪での活躍が記憶に残る町田瑠唯がワシントン・ミスティクスでプレーすることから日本での露出も多く増えることが予想される。世界ナンバー1のアメリカ代表を筆頭に世界中からスター選手が集うWNBAだが、年俸はトップ選手でも約2500万円にとどまっており、大半の選手はWNBA以外の場所でも稼いでいる。WNBAは5月から8月がシーズンと、日本を含め秋から春がシーズンとなる大多数のリーグとは真逆のスケジュールのため多くの選手はWNBAのオフシーズンは欧州のチームに所属している。
経営面ではプロリーグとしてまだまだ苦しいWNBAだが、一方でこれからの発展に向けてリーグは積極的に動いている。その代表例として、2月に発表された元アメリカ国務長官のコンドリーザ・ライス氏を含む投資家などからリーグの成長を促進させるため7,500万ドル(約93億円)を調達している。
そしてスポーツ界における女性の地位向上、多様性、公平性などを推進するリーグの活動を支援する企業の集まりをWNBAチェンジメーカーと名付け、AT&T、デロイト、ナイキ、グーグルといった大企業が名を連ねる。そして3月、この集まりにUSバンクが加わった。
この契約によってUSバンクは、WNBAの公式銀行となりカップ戦、オールスターゲーム、ドラフトといった主要イベントの公式パートナーも兼ねる。また、WNBAも通して同社の露出以外にも銀行らしくファイナンス関連のアクティベーションを行っていく。
WNBAの選手、元選手のファイナンス面に関する手厚いサポート
WNBAの現役選手だけでなく、元選手も対象にしてファイナンスに関する教育機会を提供。また、アドバイザーに対し、個別でそれぞれの将来に向けた経済的状況についての相談もできる。他にもUSバンクは、選手たちに自社へのインターンシップ、ビシネス面でのネットワーク作りなど、引退後に向けた活動のサポートも行っていく。
また、WNBAと一緒にNPO団体の協力を受け、行政の十分なサポートを受けられない地域の若い女性、特にマイノリティー層の経済的な自立を支援していく。その1つとしてビシネスウーマンとしての活動を目指す女性には金融業界の専門家に会ったりなど、ビジネスチャンスを提供していく予定だ。
USバンクにとって、WNBAチェンジメーカーの一員となり、上記のような活動をしていくことは今の企業に求められるSDGsであり、地域貢献活動の一環となる。そして、発信力の大きいプロスポーツリーグと一緒に行うことで、自分たちの活動の認知度を高め、より多くの人々を巻き込みやすくなっていく。
また、WNBAの選手、元選手とのコネクションを作れることは大きい。バスケットボールのトップステージで活動している彼女たちだからこその様々な人脈はあり、それは同社の顧客開拓の助けとなるだろう。WNBAの選手たちを支援することは結果として、USバンクにとっても大きなビシネスチャンスを生み出せる。同社の活動が数年後、どのような波及効果をもたらすのか興味深い。