・全米コーン生産協会(BtoB)とプロスポーツチームの特別試合のパートーナーシップ
・名作野球映画の舞台となるトウモロコシ畑に囲まれた球場で特別試合が行われ、全米中継を予定している。
・映画作品や野球を通して農業への注目を集めることでイメージアップを図り、地元農家の地域社会での繋がりをつくることを目的としている。


名作映画『Field of Dreams』を題材としたMLB特別試合が8月に開催

北米プロ野球のMLBでは、来場者に予約なしで新型コロナウィルスへのワクチン接種を実施、球場で接種した人にも無料チケットを贈呈など、リーグ全体で接種を促進する取り組みを推し進めてきた。そして現在ではカナダの出入国制限によってトロント・ブルージェイズは本拠地開催ができていないが、全米各地で新型コロナウィルスへのワクチン接種が広がったことで多くのチームで観客制限が解除されるなど日常が戻ってきている。

これから夏を迎え野球観戦に打ってつけの季節となる中、オールスターと共に大きな注目を集めているのが、『MLB at Field of Dreams presented by GEICO』だ。これはイベント名の通り、不朽の名作として名高い野球映画「Field of Dreams」の舞台となったアイオワ州ダイヤーズビルで行われ、対戦カードはシカゴ・ホワイトソックス対ニューヨーク・ヤンキースとなっている。

本来ならこの試合は昨年に開催予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって延期となっていた。当地には撮影で使われたトウモロコシ畑に囲まれた球場が残り、観光名所となっている。ただ、この球場は観客席がないため映画の球場からトウモロコシ畑を挟んだ真横に、今回の試合用に8,000人の仮設スタンド付きの球場を新たに建設している。そして、MLBのフランチャイズがないアイオワ州においては、史上初のリーグ公式戦となる。

映画の圧倒的な知名度もあり、全米中継されるこの特別ゲームは大きな関心を寄せられている。その注目ゲームでタイトルスポンサーを務めるのは、大手自動車保険会社のGEICO。同社はスーパーボウルへのCMを長期に渡って継続中などスポーツスポンサーシップを全米規模で積極的に行っており、今回も納得の選択だ。

「地元の農家と地域をつなぐための素晴らしい機会になる」と効果を期待

そして、この試合ならではのスポンサーとして注目したいのが、全米コーン生産協会だ。不特定多数となる一般大衆への訴求力に優れたスポーツイベントは当然のようにB to Cを生業とする企業、組織がスポンサーシップを行うケースが大半だ。一方、全米コーン生産協会は、顧客が個人ではなく企業のB to Bと正反対である、

しかし、今回の試合は、トウモロコシ畑に囲まれた球場が舞台。さらに会場のアイオワ州は、アメリカにおけるトウモロコシ生産の中心地帯でコーンベルトと呼ばれる中西部に位置しており、同協会にとってはこれ以上ないくらい親和性が高い。それだけに、この試合に関して言えば、通常のスポーツイベントと違いスポンサーを務めるのが妥当な選択肢となる。

全米コーン生産協会のHPで、アイオワ州コーンプロモーション委員会の代表は、今回のスポンサーシップで期待することをこう話す。

「野球と農業以上にアメリカらしいものはないです。私たちはアイオワの田舎のトウモロコシ畑にある100年の歴史を持つ家族経営の農場の中で、一緒になることに興奮しています。私たちのゴールは、野球ファンが応援しているチームに加え、トウモロコシ農家と農業への誇りと感謝の気持ちを持ってもらうことです」

さらにアイオワ州の隣に位置し、コーンベルト地帯に含まれるイリノイ州のコーン販売委員会のチェアマンは、「私たちにとって地元の農家と彼らのコミュニティーをつなぐための素晴らしい機会となる」と語っている。

普段、スポットライトを浴びる機会が少ない農家への認知度を高めイメージを向上させる。そして、地域社会とのつながりを高める手助けとなる。今回のスポンサーシップで全米コーン生産協会が狙うこの2つの目標が達成できたら、それはMLBにとって自分たちはB to Cだけでなく、B to B企業にとっても効果的なプロモーションの機会を提供できることをより強調できる。野球界にとってスポンサーシップの対象企業の幅を広げる効果をもたらすための重要な機会となってくる観点からも注目したい。

<イベントの様子>