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スポーツ生観戦の特権を提供、バドライトがMLB再開を祝って実施したSNS懸賞企画

https://twitter.com/budlight/status/1286441074987278336


・ビールメーカーによるプロスポーツリーグ(MLB)協賛の活用アイディア
・野球ファンにお馴染みのテーマソングを採用したCMを公開(他スポーツリーグへの協賛で得られる権利も上手く活用)。
・有名アーティストなどの著名人が自分なりにアレンジして歌うショートムービーをハッシュタグ投稿するSNSキャンペーンを実施。
・ファンがスタジアムでの生観戦ができない中で、#投稿をした各チームのファンの中から抽選で当選した人に、実際のホームランボールをプレゼント。


スポーツイベント復活を祝うSNSキャンペーンを実施

新型コロナの感染拡大を受け、アメリカのスポーツ界は長期休業を余儀なくされてきたが、主要プロスポーツリーグの中で復活の狼煙を最初に上げたのが、7月23日から今シーズンを開幕させたメジャーリーグだった。当初の予定より約4か月後ろ倒しのスタートとなった2020シーズンはレギュラーシーズンの試合数を162試合から60試合に削減する異例のレギュレーションとなったが、それでも開幕は全米のスポーツファンにとって待望の瞬間となったことだろう。このお祝いムードにうまく便乗したのが、ビールブランドのバドライトだ。

同社はリーグ開幕を2日後に控えた7月21日、日本でもよく知られる『Take Me Out to the Ball Game(邦題:私を野球に連れてって)』をテーマソングに採用したCMを公開し、野球だけに限らずスポーツのある日常生活が戻ってくる喜びを表現した。同日、このムーブメントを拡散すべく、一斉を風靡した女性グループ『ディスティニーズ・チャイルド』のメンバーとして知られる歌手のケリー・ローランドを始め、複数の人気コメディアンや俳優などの著名人が『Take Me Out to the Ball Game』を自分なりにアレンジして歌うショートムービーを #TakeMeOutChallenge と題してTwitterやInstagramで投稿するというSNSキャンペーンを仕掛けたのだ。

家にいながらスタジアム観戦ならではの特権を味わえる

ただ、このプロモーションは、様々なスポンサー企業がキャンペーンを仕掛けるこのタイミングでバドライトに注目を集めるための序章に過ぎなかった。同社の真の狙いは、自宅にいながらホームランボールをもらうことができるキャンペーン、#BudLightHomers をより多くのファンに伝えることだ。

ホームランボールをキャッチしたいファンは、開幕の7月23日から31日までの期間、 #BudLightHomers #Seepstakes (懸賞)の2つのハッシュタグに加え、応援するチームの公式アカウントをタグ付けしてSNSに投稿することで抽選に応募できる。ホームランボールの当選数は1チームあたり2球の全60球、抽選は8月の初旬に行われた。当選者には、それがホームランボールであるという証明付きの白球が、オリジナルのケースに入れて贈られた。

バドライトはファンにとって最も喜ばしい瞬間が失われてはいけないと、本来であればスタジアムで観戦するからこそ手にできる特権を家にいながら得るチャンスを提供した点が非常にユニークな事例だ。日本においても無観客試合や、あるいは観客数を限定してのスポーツ興行が当たり前になる中で、従来定番だった「観戦チケットが当たる」「選手に会える」といったリスクの高い懸賞は難しく、スポンサー各社はSNS等を活用したオンラインで完結するアクティベーションに頼らざるを得ない面がある。この飽和状態の中で、他社のキャンペーンよりも注目を集めるだけでなく、ファンのエンゲージメントを高め、ブランドに対する好感を醸成する仕掛けづくりや景品選びの視点は、ぜひ参考にしたい。

ライター:中澤薫

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