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ブラックホークスの新練習施設は地域完全密着

https://twitter.com/NHLBlackhawks/status/915895244746522624

・地元の金融機関「MB BANK」がチームの練習施設のネーミングライツを購入
・施設の稼働の94%は、草ホッケーチームやスポーツ健康学を学ぶ勉強教室など、地元コミュニティーが使用する想定
・チームスポンサー7年に加え、アリーナスポンサーも12年契約ということで、スポーツを通じて企業と地域の関係性向上が期待できる


 NHLシカゴ・ブラックホークスが、11月下旬にオープンする新しい練習施設となるMBアイスアリーナの詳細が明らかになっている。まず、施設名だが、これはMBファイナンシャルバンクが命名権を取得したことによるもの。同銀行は、シカゴを拠点とする地元企業で契約期間は12年と見られている。

 また、同社はこれまで7年間にわたってブラックホークスのスポンサーを務めており、ブラックホークスのホームゲーム開催時には広告ボード、バーシャルサイネージの出稿を行っている。また、昨シーズンのプレーオフ開催時には、シカゴのダウンタウンを巡るバスツアーで使用される二階建てバスに、同社のロゴとブラックホークスの選手が描かれた特別デザインのものが出ていた。

 通常、トッププロチームの練習施設といえばそのチームの専用施設であることが大半だ。しかし、このMBアイスアリーナはブラックホークスに、対戦相手となるチームの練習用だけでなく、地元住民に幅広く解放しており、全体の94%に渡る稼働率が地元地域のためとなる予定だ。

 施設の概要を見ると、NHLの公式サイズとなる2つのアイスホッケーリンクに加え、22チーム分のロッカルームを備えている。他にも公共のフィットネスセンター、リハビリや医療用の施設、レストランやカフェに加え、地元の公立学校が保健体育、栄養学などを勉強するために使う教室も備える一大施設となっており、総工費は6,500万ドル(約74億円)となっている。

 この恵まれた施設を使い、地元のユースホッケーの育成プログラムを実施したり、さらに大人向けのアイスホッケーリーグも開催する計画となっている。利用者にとっては、憧れのNHL選手たちが練習で使っているリンクでプレーできるのは、それだけで1つの記念となるはずだ。

 地元の人々が日常的に利用する施設を練習施設とすることは、ブラックホークスにとって自分たちが地域に根ざしたチームであることを示すのにこれ以上ない施策だ。そして、この施設の命名権を取得することはスポンサーであるMBファイナルバンクにとっても、同様に地域との関係性の向上が大きく期待できる。

 日本の場合、普段から地元の人々が様々な用途で使用としている◎◎体育館、◎◎アリーナとよばれる公共の施設を、トップカテゴリーのチームが練習場所、試合会場に使うケースはよくある。このブラックホークスの場合は、チームが地元の人々の憩いの場を提供と、逆の事例となっている。

ライター:鈴木栄一

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