・スポーツ×音楽会社のパートナーシップ
・選手がキュレーターとなって、オリジナルのプレイリストを作成
・ファンにとって、選手の選んだプレイリストには大きな興味をもつ


 イギリスのプレミアリーグに加盟するチェルシー・フットボール・クラブ(チェルシーFC)はソニーミュージックと独占的なパートナー契約を締結した事を発表した。世界的に有名なアーティストを抱えるソニーミュージックと世界的に有名なスター選手を多数抱えるチェルシーFCとのコラボレーションがどの様なプロモーションを展開するか今後注目される。

 パートナーシップ契約発表の約1週間後の10月27日、チェルシーFCのオフィシャルホームページにてチェルシーの選手が監修に関わったプレイリストが公開された。ファンはその中から気に入った曲をストリーミングやダウンロードが出来る。

 チェルシーFCのコマーシャルディレクターは「ソニーミュージックの様な世界を牽引するエンターテイメント企業と協力出来て大変喜んでいる。世界的に有名なミュージシャンとサッカーのスター選手は今後、革新的なコンテンツや経験を両方のグローバルなファンの為に作りだすでしょう。」とコメント。また、ソニーミュージックインターナショナルのインターナナショナルマーケティング副社長も、「サッカーも音楽も共に情熱的なファンに刺激されている。このパートナーシップはその繋がりをより強くしてくれるはずだ。私たちは両者を組み合わせてお互いにさらなる高みを目指したい。」とコメントした。

【強豪サッカーチームのマーケティング価値】

 チェルシーFCは現在チームの価値が1,845万ドル(約2096億6千万円)とも言われ、2016-17シーズンにはイギリスのプレミアリーグで1位の成績を収めている。プレミアリーグは世界中で約10億人以上に中継を視聴され、全世界で最も人気の高いリーグであり、テレビ中継の視聴者数は全スポーツリーグの中で世界トップ。ファンも世界中に広がっている。そのチームの選手達が最高のパフォーマンスを引き出す為、試合の前にどの様な曲を聞いて気持ちを高めたり集中するのか、試合後にどの様な曲を聞いてリラックスするのかはファンにとっても興味関心のあるところだろう。その様な世界中のスポーツファンへ自社の所属アーティストをアピールできる事はソニーミュージックにとっても新顧客の開拓と言う意味で最高のパートナーとなる事は間違いない。

【サッカー界での存在感を高める】

 音楽のカテゴリーとしては、チェルシーFCは2016年にアップルが世界展開している高級ヘッドフォンブランド「Beats by Dre」と公式サウンドパートナー契約を結んでいる。Beats by Dreは有名アスリートに自社のヘッドフォンを送り、ホテルからの移動や試合前などに使用してもらう事でワールドカップやオリンピックでオフィシャルスポンサーではないのにマーケティングで世界的成功を収めており、ワールドカップではFIFAがBeats の使用を禁止する処置に乗り出したほど。グループ会社のソニーも高級ヘッドフォンブランドを多数展開しているが、チェルシーFCのオーディオパートナーは既にBeats by Dreに押さえられている為、今回はミュージックコンテンツパートナーの独占契約を結ぶ事によりソニーミュージックはその存在感をサッカー界で増幅させる狙いがあるのだろう。

 現在、スポーツファンが試合を観戦するツールは多様化しており、ヨーロッパのリーグの試合を世界中の人々が観戦できる環境である。それ故、強豪チームの選手が身につける物や聞いている音楽に至るまで、マーケティングにおける彼らの影響力は絶大な物となっている。チェルシーFCのホームページには「プレイリストはパートナーシップの第一歩に過ぎず、今後もお楽しみに。」とある。世界的にそれぞれの分野をリードする2者が今度どの様なプロモーションを展開するのか注目したい。