・実際のチーム(リアル)のスポンサーとは別に、esportsリーグのゲーム内に登場するチーム(バーチャル)のスポンサーを獲得することが可能
・実際のチームのファンと、esportsのゲームユーザーとは属性が異なることに注目した新しい広告コンテンツの創出
・グッドイヤーをユニフォームスポンサーに持つキャブスは、冷凍食品の製造・販売会社と契約。(esportsの主要ユーザーである若年男性へのアプローチがポイント)


 NBAは5月にスタート予定となる人気バスケットボールゲーム「NBA2Kシリーズ」によるesportsリーグにおいて、各チームにバーチャル広告の販売を許可することが明らかになった。

 これにより各チームは、ゲーム内で使用するバーチャルアリーナ内、そしてユニフォームにそれぞれ独自の広告を掲出することができる。すでにクリーブランド・キャバリアーズは独自のスポンサーを獲得。実際のユニフォームの広告はグッドイヤーであるが、esportsリーグに参加するチームであるCavs Legion Gaming Clubのユニフォームには『HOT POCKETS』社のロゴが掲出される。

 HOT POCKETSは、アメリカではスーパーマーケットなどでよく売られている惣菜をパイで包んだ冷凍食品を製造、販売している会社。ハム&チーズなどが定番商品となっている。一見するとビデオゲームとは全く関係ないように感じられるが、電子レンジですぐに調理が済み、片手で気軽に食べられるということで、テレビゲームの主要ユーザーである若い男性向けの食べ物という見方もできる。

 また、同社の親会社は世界的食品会社ネスレで、ネスレの米国本社はクリーブランド近郊にあるというところは、地元企業のスポンサーを探していたキャブス側の意向もあり、今回の契約締結につながった大きな要因と思われる。

 このesportsリーグに参入する17チームの大半は、これまでと別のスポンサーの獲得を狙っていると予想される。ただ、ニックスのようにすでにスポンサーとなっているChase、ユニフォームに広告を掲出しているSquareSpaceの両社の広告を、esportsリーグにおけるホームアリーナに提示する方針を示しているチームもある。

 ちなみにこのホームアリーナについても実際の本拠地と違う名前であることが認められており、それぞれ命名権を販売することも可能となっている点も興味深いところだ。

 NBAがesportsリーグへの参加チームに様々な形での広告販売を認めていることは、まだどれだけ盛り上がるのか未知数な大会において少しでも各チームの金銭的な負担を軽減させる意図を推測できる。

 また、ゲームというバーチャルな世界だからこそ広告の掲出の仕方などでもこれまでにない見せ方など色々な試みに挑戦しやすくモデルケースとして使える。他にアリーナスポーツとの親和性が高いesportsに興味を持っている企業とのコネクションを作ることは、NBA、各チーム本体のスポンサー契約につながってくる可能性もあるなど、スポンサーシップとそのアクティベーションの面でも新しいesportsリーグには注目していきたい。