・メーカーと販売店が連携して、オリンピック・パラリンピックの権利と選手の権利を上手く活用ながら、ブランディング〜商品プロモーションに至るまでの施策を展開。
・子供の送り迎えをするシーン(タイヤメーカーとの親和性が高い)を写真に取り、ハシュタグ投稿で応募し、勝者のもとに憧れの選手が訪れるというコンテストを実施。
・上記選手を店頭での広告にも利用し、平昌五輪のタイミングに合わせて商品キャンペーンを実施。
・ターゲットが喜ぶ施策によって顧客接点を作り、販売促進に繋げる


ブリヂストン・アメリカが平昌冬季五輪に際してトップアスリートに会えるコンテストを実施している。ブリヂストンは日本の大手タイヤメーカーでオリンピックの公式パートナー(カテゴリー:タイヤ・免震ゴム・自転車(電動&モーターアシストを除く))を務めている。その米国支社であるブリヂストン・アメリカは米国のオリンピック代表、パラリンピック代表のスポンサードも行なっている。

今回ブリヂストン・アメリカが行なったのは、ユーススポーツを行っている子供の送り迎えをする両親を讃えることを目的としたコンテストだ。練習や試合に行く時の様子を写真に撮り、#clutchperformanceと#entry のハッシュタグをつけてソーシャルメディアに投稿するか、ブリヂストン・アメリカが保有する下記の各タイヤブランドの特設サイトに投稿することで応募できる。

http://www.firestonecompleteautocare.com/Entry

コンテストの勝者には、ブリヂストンがサポートしている平昌五輪のアメリカ代表、もしくは惜しくも代表入りを逃した人気女子フィギュア選手アシュリー・ワグナーが、子供の練習している施設を訪れるものとなっている。そのワグナーが登場するキャンペーンビデオがこちら。

このコンテストを主導で行なっているのが、ブリヂストン・アメリカの子会社である「Bridgestone Retail Operations (BSRO)」だ。BSROは「Firestone Complete Auto Care」「Tires Plus」「Hibdon Tires Plus」「 Wheel Works」といったタイヤブランドを展開するブリヂストン・アメリカの小売店にあたる。

BSROはこのコンテストだけでなく、スポンサーする代表選手を起用した平昌五輪関連のポスターなどの広告を各小売店に展開している。消費者向けのプロモーションとして、4つのタイヤをセットで購入した人が使えるクーポンを配布するなど平昌五輪に合わせて活発な動きを見せている。

ブリヂストン・アメリカの狙い

 BSROを主導として子供の送り迎えに注目したコンテストを仕掛けるブリヂストン・アメリカだが、その狙いは消費者との接点を作り販売促進に繋げることだと考えられる。

ブリヂストン・アメリカは2018年の平昌五輪に合わせて「Clutch Performance」というキャンペーンを打ち出しており、このコンテストもその一環だ。「Clutch Performance」とは、ここ一番の勝負所で大きなプレッシャーにさらされた時に質の高いパフォーマンスを発揮すること。BSROのプレジデントであるジョー・ヴェネツィアは「一人では偉業を成し遂げることはできないとどんなオリンピック選手も言う。我々は若いアスリートに夢をもたらす親や彼らにとって重要な人々を讃えることにワクワクしているよ。」と語っていることからも、スポーツに励む子供の支えとなっている人々を讃えることを意図したコンテストであることが分かる。

子供がスポーツの練習や試合に行く際の送り迎えというシーンは多くの家庭に当てはまるため、スポーツをする子供を抱える親の関心を集めることができ、消費者との接点を持つことができる。加えて、送り迎えを車で行なっている家庭も多いと考えられるため、タイヤメーカーとしても親和性の高いコンテスト内容になっている。

コンテストの勝者に贈られるアメリカ代表選手が自分の子供の練習に来てくれるという特典も、子供を応援したい親にとっても魅力的な内容でありブランドイメージを高めることができる。子供たちにとっても夢のあるコンテストであり、ブリヂストンのタイヤを認知してもらうことで将来的なブランドのファンになる可能性もある。このようにコンテストを通して消費者との接点を作ることで、最終的には自社のタイヤ製品の販売促進に繋げることができる。

自社のメインターゲット層との接点を持つために、子供の送り迎えに着目したブリヂストン・アメリカのコンテストはターゲット層の属性や生活行動から導き出された非常に優れたアイディアだ。こうしたターゲットをきちんと分析した上で戦略を練ることはスポンサーシップのアクティベーションにおいては非常に重要だと言える。