・プロスポーツリーグと大学のパートナーシップ。大学がリーグ所属の選手・コーチなどのスタッフの学位取得をサポート。
・リーグ側のメリットは、セカンドキャリアに熱心に取り組んでいるというブランディングと、選手・コーチとの関係性構築。
・大学側のメリットは、プロ選手が学んでいるということによるPR、および、リーグ・チームへの学生インターンの派遣。


 北米サッカーリーグのMLSが、サザンニューハンプシャー大学との教育パートナーシップ契約を延長した。これにより、2015年にスタートした両者の協力体制は2020年まで継続されることになる。

 契約内容としてはリーグに所属する選手、コーチなどスタッフを対象に同大学での学位取得をサポートするものとなっており、現在55人の選手、50人のコーチが同大学で授業を履修中。そして、15年のプログラム開始から見ると、すでに引退した選手を含めてこれまで180人以上が参加している。また、当然のようにシーズン中はリーグ戦で忙しい選手たちのスケジュールを考慮し、柔軟性に富んだカリキュラムを大学側は提供している。

 少なくない人たちが興味を持って取り組んでいる中、FCダラスのカナダ代表テショ・アキンデリーは、この契約締結から最初に同大学で学位を取得した選手で、現在は修士号を目指して引き続き勉学にも励んでいる。

 また、この試みはリーグを代表するトップクラスの選手も参加。かつては欧州で活躍し、今はトロントFCに在籍するアメリカ代表ジョーイ・アルティドールもその1人だ。「父と母のためにも、彼らと同じように大学教育を受けることは自分にとって優先順位の高いことだ」と、ビジネスでの学位取得を目指している彼は語っている。

 このように、MLS側が教育パートナーシップで得られるメリットとして、プロスポーツの本場であるアメリカにおいて1つの大きな問題となっているセカンドキャリアのサポートに熱心に取り組んでいることへのアピールによるブランドイメージ向上。そして、何よりも選手やコーチとの良好な関係の構築につながる。

 そして大学側としては、少なくないMLS選手たちが学んでいるというのは大きな宣言効果となる。またこの契約によりリーグオフィス、各チームにインターンを送り込める枠を確保されている。プロスポーツではインターン自体がかなり狭き門であり、これもスポーツビジネス界への就職を目指している学生たちへのよいアピールなるはずだ。

 日本においてもチームが、大学とスポンサー契約を結びユニフォームなどに大学名を掲出するのは珍しいことではない。そこからさらに一歩進んだMLSとササンニューハンプシャー大学の取り組みは、日本スポーツ界においても大いに参考になるものではなるだろうか。