・乗り捨て型カーシェアサービスとチームのパートナーシップ。
・企業側のメリットは、大都市において露出拡大&ユーザーを獲得できるということ。
・チーム側のメリットは、スタジアムの近くでの乗り捨てできるカーシェアリングが顧客満足度の向上に寄与するということ。
イタリアの名門サッカークラブ、ASローマはカーシェアリングを手がけているCar2go社とパートナーシップ契約を締結。これにより、同社はローマの公式モビリティシェアリングパートナーとなっている。
Car2goはドイツの自動車会社ダイムラーの子会社で2008年にスタート。単位の支払いで、そこにはガソリン代、保険代なども含まれているシンプルな料金体系も特徴。また、駅や空港など有効エリア内においては利用を終えた後で乗り捨て可能な使いやすさなどから年々、利用者が増加中だ。そして、ローマのホームゲーム当日にCar2goの利用者は、ホームスタジアム近くにあるCar2goの専用駐車場に、追加料金を支払うことなく車を止めることができる。
多くのプロスポーツチームにとって、ホームゲーム開催時における代表的な問題の1つとなっているのが渋滞だろう。公共交通機関を利用することで観客のスムーズな移動ができるのは、大都市で鉄道などが発達している限られたチームのみ。大半のチームにおいて、観客の大部分は車での観戦を望んでおり、その結果として特に試合終わりに大きな混雑が発生することは珍しくない。また、そもそも駐車場が少なく、車を停めるのに一苦労というケースも少なくない。
いうまでもなく観客にとっては、試合までの移動時間も含めてのスポーツ観戦である。いくら中身が面白いものであっても、移動時間がその人にとって大きなストレスとなるようだったら、何度も訪れようとは思わないだろう。それだけに駐車場も多い場所からのシャトルバスの運行など、会場へのアクセス改善には力を入れているチームは多い。また、過去記事で紹介しているが、ASローマは、配車サービスのUberともパートナーシップ契約を結んでいる。
また、今回のパートナーシップにより、Car2goを利用してローマの試合観戦に訪れた人には、毎回10分の無料クーポンが贈呈される。他にもクラブの公式サイトで使用できる10%の割引サービスも提供される。
Car2goは利用者が増加しているとはいえ、まだまだ知名度をどんどん高めていきたいところ。人気サッカーチームとのパートナーシップは、ローマ市内における大きな露出効果が期待できる。そしてホームスタジアム近くで乗り捨てできるカーシェアリングは、観客にとって使い勝手のよいサービスであることは間違いない。このサービスを観客により浸透させることは、ローマにとってホスピタリティー向上につながる訳で、ともに明確な効果が見込めるwin-winのスポンサーシップだ。