・女性プロスポーツ(スケートボード)選手とスポーツギアメーカーの社会課題(女性の社会進出)をテーマにしたアクティベーション。
・国際女性デー(3/8)を機に、世界各地の少女に対してスケートボードクリニックを実施。その様子を動画、SNSで発信。
・企業の社会課題解決の姿勢はターゲットであるミレニアル世代へのアプローチとして有効な手段。


 ストリート系スポーツアパレルメーカーのVANSが、国際女性デーとなる3月8日から女性向けのスケートボードクリニックを開始した。

 インドで開始した「Girls Skate India」が起源となっているこのクリニック。創設者である Aitta Verghese と女性プロスケートボーダーである Lizzie Armantoにより、アメリカ、イギリス、中国、ブラジルなど各国を舞台に計100回以上を実施していく予定となっている。

 このクリニックを通して、各地域の少女にスケートボードのエンパワーメント(人々が自信をつけること)や楽しさを広め、スケートボードを続けてプレーしたいと思う少女が増えていくように取り組んでいく。その様子を動画やインスタグラムなどのSNSを通して発信していく。

社会課題提起を通したターゲットへのブランディング

 今回のクリニックはスケートボードが好きな少女たちに技術を教えたり、スケートボードを愛する女性のコミュニティーをサポートする取り組みだ。そしてただサポートするだけでなく、一連のイベントを通して何かを成し遂げる素晴らしさを感じてもらうことで、女性の社会進出をよりサポートしていくVANSのメッセージとなっている。国際女性デーに合わせて発表していることからもその意図は伝わってくる。

 スケートボードはその文化がファンションとして若者の間に定着してきており、VANSのシューズはスケートボードシューズの代名詞とも言え男女問わずそのポジションを確立している。この少女向けのクリニックも非常に好感の持てる取り組みであり、そうしたスケートボードやストリートファンションに興味のある若者をターゲットとしたブランディングという側面が強い。

 また、女性の社会進出をサポートしていくというVANSのメッセージは、社会課題への関心が高いとも言われるミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた人々)の関心を集めるものだ。その点からも、このクリニックがターゲットである若者の特徴とマッチする戦略的なものであることが分かる。

 こうしたスポーツを活用し、社会課題を提起していく企業の取り組みは近年のスポーツビジネスのトレンドとも言える。今回のVANSの例のように、自社製品のブランドポジションやユーザーの特徴を考えた上で、ビジネスの発展に繋がる社会貢献活動を行うことが今後はより求められていくだろう。