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独サッカーチームのアウスブルグ、オーストリア観光協会とパートナーシップ

写真:ロイター/アフロ


・ドイツのプロサッカーチームとオーストリア観光協会のパートナーシップ。
・ホームゲーム開催日にスタジアムでスキーリゾート来場促進のプロモーション活動を実施。
・立地関係、ターゲットの親和性等を理由にパートナーシップの対象を選定。スキー場で使用されているゴンドラの展示等、限られた予算を有効活用。


独サッカーチームのアウクスブルグが、オーストリア観光協会と3年間のパートナーシップ契約を結んだ。主な内容としては、アウクスブルグの本拠地WWKアリーナで開催されるホームゲームでスキーリゾート地ピッツテイラーのプロモーション活動が挙げられる。

その他にもアウクスブルグのホームゲーム来場者向けのスキー場チケットの割引きなどのサービスも展開される予定となっている。オーストリア観光協会が、今回アウクスブルグをPR活動のパートナーに選んだのには複数の理由が考えられる。

まず、アウクスブルグはドイツの南西部に位置する都市であり、オーストリアと近い位置関係にある。PRの対象であるピッツテイラーとは車で2、3時間と、これは欧米の感覚でいえば遠いという感覚ではない距離だ。そして、サッカー観戦に来る人々は、自らも体を動かすスポーツ好きの割合が高いと予想できる。例えばテレビ、新聞などの大衆メディア、また街中での看板などで不特定多数の人々に向けて、ピッツテイラーの宣伝をするよりも、よりスキー場に足を運んでくれる可能性の高い属性の人々に向けて重点的にPRした方が効率的だ。また、チームは夏のトレーニングキャンプ地としてピッツテイラーを利用しているつながりも加味されているだろう。

そして、宣伝効果を高めるための施策として、注目したいのがWWKアリーナにスキー場で使われているゴンドラを展示していること。スタジアムでのゴンドラは場違いであり、だからこそ観客の目を引く。それによって例えば多くの観客が、ゴンドラの写真を撮ってSNSに投稿してくれることによる告知効果も期待できるかもしれない。

限られた広告費の中で、いかに効率的なPR活動を行えるのかは各自治体、企業などにとって切実な問題である。その中でスポーツの試合会場は属性が明確な上で、数千人から数万人が集まる。さらに試合前、試合中の空き時間が少なくなく、観客もいろいろな広告物を目にする機会がコンサートや演劇などに比べて多い。そういった特性をうまく利用しているオーストラリア観光協会のスポンサーシップ戦略と評することができるはずだ。

ライター:鈴木栄一

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