・米保険会社がプロスポーツリーグNFLの社会貢献アワードにスポンサード。
・スーパーボウル前日のNFLオナーズでの受賞者発表に加え、ドラフトのタイミングでアワードをテーマにした特別CMを放送。
・保険商品は競合との差があまりないので、企業好意度、ブランドイメージ向上は重要課題。
企業がスポーツに対してスポンサーシップ活動を行う目的として代表的な理由は、多くの人々が関心を寄せる人気コンテンツであることから告知効果が高いというものだろう。ただ、それ以外にも様々な要素があり、その1つとしてスポーツは公共性、社会性が高い。それ故にスポーツチームやリーグをサポートすることで、ブランドイメージ向上につながりやすいという側面は見逃せないだろう。
米保険会社大手のネイションワイドがNFLのウォルター・ペイトン賞の冠スポンサーを務めているのは、まさにこれらの要素が絡んでいるからではないだろうか。1970年代後半から80年代にかけて活躍したスター選手であるウィルター・ペイトンの名前をつけたこの賞は、最も地域貢献活動に取り組んだ選手に贈られるもの。NFLもこの賞をシーズンMVPなどと同じくスーパーボウルウイーク中に行われるNFLアワードで発表するなど発信に力を入れているが、一方でMVPなど主要な賞に比べると一般メディアから取り上げられにくいことは否めない。
そんな中、同社は、オフシーズンにおけるNFL最大のイベントであるドラフトのTV中継でウォルター・ペイトン賞の告知を目的としたCMを放送した。このCMは、Goalsというテーマで作られ主人公として登場するフットボールをプレーする少年が、将来は実力に優れるだけでなく、地域の規範となる選手を目指すと夢を語る内容となっている。
同社が通常のCMでなく、ウォルター・ペイトン賞の冠スポンサーであることをPR目的としたCMを流したのは、この賞を支援していることはイメージアップに大きく寄与するから。特に保険業界は一般の人々にとって家電や食品などとは異なり商品の違いがわかりにくい。それだけにイメージ戦略が大切であり、全米1の人気スポーツリーグNFLの社会貢献活動をサポートしていることの告知は、好感度アップに向けたかなり効果的な施策と言えるだろう。