・プロスポーツチームと地元スーパーマーケットの地域貢献型パートナーシップ。
・チームと一緒に、地域の貧困層救済プログラムや児童への食育啓蒙といった地域貢献活動を共にして、ファミリー層にアプローチ。
・100円ショップやECの台頭により、従来型のスーパーマーケットが縮小傾向にある中で、他業態との差別化を測るための地域密着型コミュニケーション(スポンサーシップ活用)を重視している。


MLBチームのフィラデルフィア・フィリーズが地元スーパーマーケットチェーンのGIANTと複数年のパートナーシップ契約を締結した。今後両者は、お互いペンシルバニア州に根付く老舗ブランドとして、プロモーションや地域貢献プログラムを共に行う予定だ。GIANTはGIANT Food Stores社が経営するスーパーマーケットで、ペンシルバニア州とその近隣の州に170店舗以上を展開し、従業員数は3万人に及ぶ。

地域貢献型パートナーシップ

現時点で発表されているパートナーシップ内容は、フィリーズのホームグラウンドであるCitizens Bank ParkでのGIANTロゴの掲出の他、チームが行っている以下の地域貢献プログラムへのGIANTの積極的な協力、となっている。

① フィリーズが毎年夏に行っている、地元の飢餓救済に取り組む団体との飢餓救済プログラムへの参加と協力。フィラデルフィアエリアでは日々の食べ物に困っている貧困層が70万人いると言われ、チームは特定の試合のチケット代金の一部をこの団体に寄付している。GIANTはそのプログラムの質の向上への協力を期待されている。
② チームが行っている「フィリーズ・フィットネス・プログラム」へのスポンサー。このプログラムは、フィラデルフィアエリア全域の学齢児童へ、健康的な生活を送るための運動や遊びを教えたり、食生活についての啓蒙活動などを行うもの。各店舗に栄養士がいて顧客へのアドバイスをしているGIANTは、食についての専門的知識を子供たちへ伝える事となる。
③ クリスマスの時期にチームが行っている地域社会への貢献活動、「フィリーズ・ウィーク・オブ・ギビング」への協力。GIANTはチームと一緒にこのプロジェクトでホームレスにターキー料理を提供する予定だ。

今回のパートナーシップ契約の特徴は、チームと一緒に地元での社会貢献活動を行う事を中心に置いている事だ。チームと共に地域へ貢献することで、GIANTのターゲットであるファミリー層へポジティブなイメージを与える事ができ、球場へ通う人々がGIANTの店舗へも足を運んでくれる事が期待される。今後はGIANTの店舗でもフィリーズのイベントが行われたり、チームマスコットが訪れたりする予定だ。

スーパーマーケットのスポーツスポンサーシップ増加の理由

小売業界のコンサルタント会社によれば、アメリカにおける小売販売業界のシェア獲得競争は熾烈な物となっており、従来のスタイルのスーパーマーケットは2013年には大幅にマーケットシェアを落としている。その理由として、長引く大不況の後遺症や、全国展開しているダラーショップ(日本でいう100円ショップ)、ネットショッピングの増加が挙げられる。

その様な厳しい状況を受け、従来型のスーパーマーケットは他との差別化を図るためにスポンサーシップへ予算を割くようになり、自社を「地域密着企業」と位置づける事に力を入れるようになった。地元のスポーツチームへスポンサーをする事は、地元に根差している企業と言う事を表すのにとても良い方法なのである。全国展開の100円ショップやインターネットショップなど、「地元地域」が存在しない販売店との差別化を図る為にも最善策と言えるだろう。