・全米最大の”草”バスケ大会とスポーツギアメーカーのパートナーシップ
・この大会を経てNBAに入った選手とエンドースメント契約を結ぶ
・ファッション、音楽といった要素を重要視するため、Jay-zをコンサルタント起用し、他の競合メーカーとは異なるブランド戦略を描く


スポーツメーカーのプーマが、アメリカ最大のオープン参加のバスケットボールトーナメントであるThe Basketball Tournament(TBT)とパートナーシップ契約を締結した。TBTは賞金200万ドルを優勝チームが総取りの高額賞金かつ、元NBA選手、強豪大学のOBチームが出場したりするなど参加選手もバラエティ豊かであることから、バスケットボールのオフシーズンとなる夏場に行われる大会でも屈指の規模で準決勝、決勝はスポーツ専門局ESPNで生中継されるなど高い知名度を誇る。

今回のパートナーシップによりプーマは、72チームによって行われる本戦トーナメント出場チームにユニフォームとシューズを提供する。これはスポーツメーカーとしては一般的だが、個性的なのはこの大会に参加し、その後でNBAのチームと契約を結んだ選手全員に用具提供などのエンドースメント契約をオファーするというものだ。ちなみに昨年、TBTに出場し、その後、NBAチームと契約した選手は16名に及ぶ。

プーマはこの秋からバスケシューズの展開を、約20年ぶりに活動を本格的に再開することに伴い人気ラッパーで実業家のJay-Zをスペシャルコンサルタントに指名した。そして、広告塔となる選手にはNBAで実績を残しているスター選手ではなく、今年のNBAドラフトで全体1位指名のディアンドレ・エイトン、全体2位のマービン・バグリーIII世、14位のマイケル・ポーターJrと、ルーキーとばかり契約する特徴的な選択をしている。

ちなみにプーマがNBA選手とエンドースメント契約を結ぶのは、1998年にビンス・カーターと10年契約を締結して以来となる。ただ、結果的にカーターとの契約は2年で打ち切られている。

プーマのブランドマーケティングの担当者は、バスケ部門の戦略としてファッションとバスケットボール、音楽とバスケットボールなど純粋なスポーツだけでなく文化的な要素を重視する意向を明らかしている。その姿勢はJay-Zのコンサルタント就任であり、TBTという草の根大会からトップステージのNBAへと這い上がっていく選手たちのサポートといった取り組みにも現れているだろう。

あえて再始動にあたってルーキーばかりを契約選手に選んだことと加え、プーマがナイキ、アディダス、アンダーアーマーといった先行しているメーカーと明らかに違うブランド戦略を取ることで、どんな存在感を確立できるのか興味深い。