・NFLチームとペットケアサービス企業のパートナーシップ
・ホームスタジアムにペット専用のエリアを設置(アクセス権の入手方法はウェブ登録、オークション、シーズンチケットの3つ)
・企業のメリット①:人気スポーツチームとのユニークな活動による知名度向上
・企業のメリット②:当選した犬はサービス提供施設で事前登録が必須(ワクチン等の確認のため)(=店頭誘因)
・動物の慈善団体に寄付することで不幸なペットを救済(=地域の課題解決)
フロリダに本拠地を置くNFLのジャクソンビル・ジャガーズが、ペットのデイケアサービスを提供するPet Paradiseとパートナーシップを組み、ホームスタジアムに犬専用のエリアを新設する事を発表した。NFLのチームがスタジアム内に犬専用エリアを設けるのは初めての事で、オープンはジャガーズの今シーズン初戦となる8月のプレシーズンゲームからとなる。シーズンを通して約250匹がこのエリアを利用する予定だ。
犬専用エリアが利用できる3つの方法
このエリアを利用するには3つの方法がある。1つ目はオンラインで「Pet Paradise Top Dog」に応募し、当選する方法。毎試合10名が当選し、当選者は犬専用エリアへ自分の犬を入場させる事が出来る他、2枚のチケットと、駐車券がプレゼントされる。また、その中の1名は試合当日にスタジアムのビジョンで紹介される。
2つ目は、毎試合販売される5席の犬専用エリアへのアクセス権をオークションで落札する方法。こちらも犬専用エリアへのアクセス権と、2枚のチケット、駐車券が付いてくる。オークションで得た利益は全て地元の動物慈善事業団体へ寄付される予定だ。チームとPet Paradise社は、今シーズン$50,000の寄付を目標としている。
最後はシーズンチケットホルダーとなり、シーズンチケットホルダー枠として設けられた5席の抽選に応募する方法だ。全ての場合において、当選した犬は、事前にPet Paradiseの施設へ出向き、事前登録(ワクチンは接種されているか、他の犬と問題を起こさないか等の確認)が必要となる。
Pet Paradise Parkと名付けられるこのエリアは、スタジアムの南側で高額シートが並ぶスイートレベルに位置し、人工芝や骨の形をしたプール、ヤシの木等が設置される贅沢な作りとなっている。また、Pet Paradiseのスタッフや獣医も常駐する予定となっており、安全面も考慮されている。愛犬家のファンなら一度は体験してみたい人気のエリアとなる事は間違いない。
Who said cats and dogs can’t get along??
Nearly 250 dogs will enjoy our new @pparadiseresort Park in 2018. Learn how your dog could be one of them ⤵️https://t.co/VbIMe28wK6
— #DUUUVAL (@Jaguars) 2018年6月28日
愛犬家のニーズに応え、地元コミュニティにも貢献
日本でも近年ペットブームが続いているが、アメリカでもペット産業は大きく成長しており、その中でも犬を飼っている世帯は他のペットに比べて一番多く、約6000万世帯に上る。しかしながら、愛犬と一緒に試合観戦をするのはなかなか難しい。
その様なファンにとって、犬と一緒に試合を観戦できる事は特別な経験となり、チームにとっては大きなファンサービスとなる。また、動物の慈善団体に寄付を行うことにより、地域が取り組んでいる不幸なペット達を救済する取り組みに世間の注目を集める事にも貢献できる。ジャガーズでは選手にも愛犬家は多く、ペットシェルターから犬を引き取ったり、個人的に寄付も行っているメンバーもいる。今回のチームの取り組みを評価する声も多い。 パートナーのPet Paradiseにとっても自社の認知度アップとなる上、事前に当選者が犬を連れて自社施設を訪れる事(登録の為)は新規顧客獲得に大きなメリットとなるだろう。
MLBでも増えている愛犬家の為の「Dog Day」
MLBでは既に多くのチームが、犬と観戦できるエリアを用意したりと犬にちなんだ「Dog Day」というプロモーションを実施している。例えばタンパベイ・レイズは9月のホームゲームでTito’s Handmade Vodkaというお酒のウォッカがスポンサーとなってDog Dayを開催予定で、その日は犬と飼い主用の特別価格のチケットを販売したり、来場者へのプレゼントや、犬と写真が撮れるブースを設置する内容となっている。
今後、NFLでもジャガーズとPet Paradiseの様な年間を通しての取り組みや、MLBのDog Dayの様な愛犬家の為の施策を行うチームが増えるかもしれない。その様な取り組みは、ファンの満足度向上につながる他、増加している愛犬家に対してのチケットセールス向上にもつながっていくだろう。