・Fin Tech大手企業が地元のプロバスケットボールチームの新ホームアリーナの命名権を購入
・地域貢献、海外での事業拡大、若手社員のインナーモチベーションアップと協賛目的は多岐に渡る
・バスケットボール以外にも著名アーティストのライブイベント等、地方都市の一大エンターテイメントの中心地となる


25年の長期契約で、新アリーナの名称はFiserv Forumに

今月26日にオープンするNBAミルウォーキー・バックスの新ホームアリーナの命名権をFiserv社が取得した。金額が不明だが、契約期間は25年と発表されている。これで総工費550億円以上をかけ、ミルウォーキーのダウンタウンに誕生するこの施設の名称はFiserv Forumとなる。

ちなみにバックス以外にも地元のバスケ強豪校であるマーケット大が、Fiserv Forumをホームアリーナとして使用。他にもコンサートなど様々なエンターテイメントが実施され、最初の行われるライブイベントは人気バンド『Killers』のコンサートだ。さらに9月、10月においてもマルーン5、ジャスティン・ティンバーレイク、メタリカ、フーファイターズといった著名アーティストたちのコンサートなど様々なイベントが予定されており、ウィスコンシンにおけるエンターテイメントの中心地になることが期待されている。

Fiserv社は、銀行など金融機関への情報処理システムを提供しているFinTech(ファイナルシャル・テクノロジー)企業の大手。同社はウィスコンシン州ブルックフィールドに本社を構えている地元企業であり、アリーナ側にとっては長期大型契約を結ぶ命名権の契約相手としては理想的な企業と言えるだろう。

ちなみに同社のCEOは、今回の命名権取得の理由について地域貢献、地域密着をあげている。同社はジョージア州に2000人を雇用している拠点があり、ウィスコンシン州の本社に務める900人よりも多いことから本社移転の噂も出ていた。今回の契約は、その疑念を払拭するのにこれ以上ないニュースとなった。

若い世代に”クール”と思ってもらうことも契約の目的

Fiservにとって今回の契約は地域貢献に加え、同社のイメージの向上を狙ってのものだ。FinTech界を代表する企業ではあるが、その業務内容から知名度が高いとは言えない。しかし、主にバックスの試合において同社の名前や会社のロゴがTV中継などで多く露出することで認知度向上は大いに期待できる。そして、同社は欧州、南米、アジアと拠点を持っているが、NBAは北米にとどまらず世界中で放送されている一大コンテンツであることも大きなプラス要素だ。

そして、CEOは地元メディアの取材に対し、若い世代が同社で働くことが“クール(カッコいい)”と思えるようにするための施策でもあると今回の命名権について述べている。人気プロチームの本拠地に名前が出る大企業というポジティブなイメージを浸透させることで、社員の会社へのロイヤリティーが高まる。また、Fiservがより多くの人にとって聞いたことのある企業へとなることで、将来的にどのようなプラス効果が生まれていくのか注目していきたい。