・人気アメリカンフットボールチームと地元のピザチェーン店のパートナーシップ。(リーグは大手ピザチェーン店と契約済み)
・アメリカでは週末に家族と一緒にピザを食べながら、フットボールの試合を自宅で観戦するという文化がある。(フットボールの試合がある日は宅配ピザの売り上げが向上するとのこと)
・チームと一緒に、7歳から14歳の子どもを対象にしたフラッグフットボール教室を展開。(企業のCSRにスポーツを活用し地域社会に溶け込む)
地元エリアを拠点とする小規模チェーン店が49ersの公式ピザに
NFLサンフランシスコ・49ersは、デリバリーピザチェーンの『Mountain Mike’s Pizza』と9月に開幕した2018シーズンからのパートナーシップ契約を締結。期間は3年間となっている。同社はカリフォルニア州北部を中心に展開していることから、49ersのホームタウンエリアと一致。NFLではリーグとして大手チェーン店のピザハットが公式パートナーとなっているが、49ersは同じカテゴリーで地元企業と契約を結んだことになる。
Mountain Mike’s Pizzaとしては、地元の名門チームである49ersの公式ピザとなることは、最も多くの店舗を展開している地域の人々にとって大きな告知効果となる。実際、アメリカではNFL、カレッジフットボールの試合がある時、デリバリーピザの売り上げは向上すると言われている。
カリフォルニア北部のフットボールファンにとって49ersの試合を自宅でTV観戦する際にピザを注目する時、数多くのお店がある中で“応援するチームの公式ピザだから”ということは同社を注文する少なくない動機付けになるだろう。このように地元の人気スポーツチームのスポンサーになることは、直接的な販売促進の効果を得られるものだ。
Best. Day. Ever.
These #49ersPREP youth football campers got the surprise of a lifetime when a few of the guys came through. ? pic.twitter.com/dnXfaS0vNg
— San Francisco 49ers (@49ers) July 17, 2018
スポーツチームの知名度を生かし、より効果的な地域貢献を
ただ、今回のパートナーシップにはそれ以外の目的も当然ある。その代表的なものは、49ersが地元地域の小中学生を対象に行なっているフラッグフットボールの普及活動を、『The 49ers PREP Flag Football Program presented by Mountain Mike’s Pizza』とタイトルスポンサーになって支援すること。このプログラムはサンフランシコ周辺のベイエリアと呼ばれる地域にて、7歳から14歳を対象に参加費無料で実施している。
そしてMountain Mike’s Pizzaは、この契約締結に際し、「地元社会のサポートは、設立された時から我が社の軸となる価値観だ。49ersの活動は、外で体を動かすことで子供たちに元気を与え、スポーツマンシップとチームワークの重要性を教えるものだ。この地元の子供たちのためになる取り組みに参加できることを誇りに思う」とコメントしている。
CSR(企業の社会的責任)も重視される昨今、コミュニティー活動に積極的に関わりたい企業は少なくないだろう。ただ、よほどの知名度や規模の企業でない限り、単独で動いても多くの人々に認知される取り組みを実現させるのは困難だ。一方で、プロスポーツチームは抜群の知名度と、イベントの告知力を持った組織だ。企業として地域貢献活動をより効果的なものとするのに、スポーツチームと共同で取り組むことは非常に理に適っていることを示す事例と言えるはずだ。