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化学メーカーのブラスケム、NFLチームを介しサステナビリティ活動を実施

写真:アフロ


・大手化学メーカーと環境保全への意識が高いプロスポーツチームとのパートナーシップ
・スタジアムで回収したプラスチック製品をリサイクルし、スーパーボウルの優勝トロフィーを3Dプリンターで制作
・チームのマスコットやレジェンド選手を稼働させながら、科学、技術、工学、数学をオンラインで学ぶ教育プログラムを地域の学校で展開
・こうした活動はスタジアムやデジタルメディア、SNS等を通して発信


化学メーカーによるNFLチームへのスポンサーシップ

北米プロフットボールリーグ、NFLのフィラデルフィア・イーグルスが化学メーカーのブラスケムとパートナーシップ契約を結んだことを発表している。この契約により、同社はイーグルスのリサイクルパートナーに就任し、サステナビリティ(持続可能性)活動を展開していく。

アクティベーションの一環として同社は、イーグルスの本拠地リンカーン・フィナンシャル・フィールドや練習施設でボトルキャップやプラスチック製品を収集。これらを原材料としたリサイクル製品として、まずはスーパーボウル優勝トロフィーを3Dプリンターで作成している。そしてスタジアム内のファンゾーンには、トロフィーと作成までの過程を説明するパネルが設置される。

また、リサイクル以外の取り組みとして、フィラデルフィア地域における次世代の子供達の育成を目的に科学・技術・工学・数学の領域をオンラインで学ぶことができる教育プログラムを同地域の学校で展開する。イーグルス側からはクラブマスコットや元選手であるジェイソン・エヴァントが参加するなど、一緒になってこの取り組みをサポートしていく。

また、スタジアムの北東ゲートを『ブラスケムゲート』という名前に変更。それに加えて、チームのデジタル媒体やSNSを通してリサイクル活動の重要性を発信していくとしている。

環境意識の高いスポーツチームとの取り組み

イーグルスはもともと環境課題への取り組みを積極的に取り組んでおり、チームカラーである緑に絡めた『ゴー・グリーン!』という環境保全プログラムを展開している。この活動は米国内で高い評価を受け、 2018年6月に持続可能なイベント運営のための国際規格であるISO20121を取得した最初のプロスポーツチームとなっている。そうした意味で、化学メーカーとして環境課題に取り組むブラスケムとの親和性は非常に高い。

イーグルスとしてはこの活動を推し進める上で同社は心強いパートナーであり、取り組む領域を拡大していくことができる。同社としてはアメリカ1の人気スポーツであるNFLの強豪チームにおいてこれらの活動を行うことは、環境問題に積極的に取り組む企業であるという認知度を高まるのに効果的だ。また、革新的な取り組みを続けていくことで自社の技術力をアピールすることも可能だ。リサイクルして作成したトロフィーはその一例と言える。

環境への取り組みを行うスポーツチームや企業が増えている要因として、ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた人々)が重要ターゲットとなっていることが挙げられる。この世代は環境問題への意識が高いと言われており、このパートナーシップもそれを意識したものだろう。共にサステナビリティに積極的に取り組んでいる両者によるスポーツ×CSRの事例として、今後も楽しみなパートナーシップだ。

ライター:編集部

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