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IT大手オラクル、地元ベイエリアで命名権を重視するPR戦略

https://twitter.com/SFGiants/status/1083438513184370688


・IT企業が地元ベイエリアにある人気プロスポーツチームの本拠地命名権を購入
・これ以前に約15年に渡るパートナーシップがあり、様々な活動を共にして積み重ねた信頼関係から今回の大型契約を締結(推定契約金額20年3億ドル超)
・自社の最先端テクノロジーを活用し、スコアボードや各種サイン等をスタジアム改修を実施する予定(BtoB企業の技術のショーケースの機会として活用)
・本契約以前からラグジュアリースペースの命名権を購入しており、今後より一層、ビジネス利用を充実させることで、BtoB事業への貢献が期待される
・IT企業がしのぎを削るエリアで、人気スポーツチームの施設命名権を取ることが、経営戦略の一部として重要な役割を果たしている


オラクル、MLB屈指の高額でジャイアンツの本拠地ネーミンツライツ取得

北米プロ野球リーグMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツといえば、これまでワールドシリーズを8度制した名門球団の一つである。その本拠地はサンフランシスコ湾に面していることから、“スプラッシュ・ヒット”と呼ばれる場外ホームランをファンがボートやカヤックで待ち構えることでも知られたユニークな球場だ。ここは2006年から携帯通信キャリア大手の社名が冠せられた『AT&Tパーク』として愛されてきた。しかし、AT&T社は契約満期となる2019年以降契約を更新しない方針を球団に告げ、ジャイアンツは新たなパートナーを求めた。そこに名乗りをあげたのは地元ベイエリアのシリコンバレーを拠点とする巨大IT企業のオラクル社で、2019シーズンから『オラクル・パーク』に生まれ変わることが、先月発表された。

同社とジャイアンツは2003年から既にパートナー関係にあり、これまでAT&Tパークを利用した企業イベントを開催したり、ジャイアンツの地域貢献活動をサポートしたりと、野球以外の場でもタッグを組んできている。ジャイアンツCEOは「複数の候補の中から長年の良きパートナーであり、地域貢献の面などで志を共にするオラクルを選んだ」と語る。

契約期間は20年で、金額は公表されていないが、複数のメディアによると3億ドルを超えるとも言われている。これまでのMLB球場命名権における最高額はニューヨーク・メッツの本拠地『シティ・フィールド』の22年4億ドルと言われており、これに次ぐ高額な契約が締結されたと見られている。

オラクルはIT業界では誰しもが知る国際企業だが、その主要製品はデータベースや基幹業務系システムなど、BtoBのビジネスを主力としているため、一般にはやや馴染みが薄い。プロスポーツチームの施設命名権を取得することで、より多くの人に親しみと好感を持ってもらう狙いもあるだろう。また、今回の名称変更に伴い、スコアボードや各種サインを含む施設の改修計画も明らかにされた。これまで培ってきた最先端テクノロジーを球場内で存分に活用するとしており、その技術力を、IT業界に関係ない一般の人々にも分かりやすい形で披露できるのは大きな利点だ。

また、同社はAT&Tパーク時代からビジネスミーティングなどでも利用できるラグジュアリーなサービスを備えたスイートエリアの部分命名権を取得していた。オラクル・パークで、こうしたビジネス利用を一層充実させることで、自社のBtoBビジネスへの貢献も期待されるだろう。既存の顧客から潜在顧客まで、おもてなしにはうってつけの場だ。

NBAウォリアーズの命名権契約が切れた直後に今回の新契約

また、同社は2006年より北米プロバスケットボールNBAゴールデンステート・ウォリアーズの本拠地の命名権を取得し、『オラクル・アリーナ』と名付けていた。ウォリアーズは2015年から4年連続でファイナルに出場し、そのうち3度チャンピオンに輝くなど今NBAで最も勢いのあるチームだ。その活躍もありアリーナは広く知られる存在となった。

ところが、ウォリアーズは2019-20シーズンから現在建設中である新アリーナへ移ることが確定しており、その施設は銀行大手のチェイスが命名権を取得。オラクル・アリーナが使用されるのは今シーズン限り、残り数ヶ月となっていた。このような背景があり、今度はMLBジャイアンツの本拠地命名権を取得したとみられる。

これは同社にとって、スポーツ施設の命名権が経営戦略の一部として重要な役割を果たしている証とも捉えられる。何より、TwitterやGoogleを始め世界屈指のテクノロジーカンパニーがしのぎを削るベイエリアにおいて、ランドマークであるプロスポーツチームの本拠地に堂々と自社の名を冠することは、地域を代表する企業としての誇りでもあるだろう。

ライター:中澤薫

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