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モトローラ、NBAネッツの胸パッチスポンサーで目指す戦略は

https://twitter.com/BrooklynNets/status/1337049437559025674


・スマホメーカーとプロスポーツチームのパートナーシップ
・ユニフォーム胸パッチと練習ジャージにロゴを掲出。チームの海外人気の高さを活かしてグローバルでのPRが可能となる。
・チームの地元地域の子供達へSTEM教育の支援を行い、ホームレス家庭にはスマホ端末を10万台以上提供
。ブランド価値の向上と将来の優秀な人材確保も期待できる。


グローバルに抜群の注目度を誇るネッツのスポンサーに

北米プロバスケットボールNBAは、各チームの収益力強化の一環として2017-18シーズンからユニフォームの胸部分に、縦横2.5インチ(約6.4cm)のスペースで広告の掲出を認めている。特にコロナ禍によって無観客、もしくは大幅な観客制限を行なっての試合実施を余儀なくされるなど、各チームが大きな減収を強いられている中、胸パッチスポンサーはより財政面で大きな存在だ。

そし12月に携帯端末の製造、販売を手掛けるモトローラは、ブルックリン・ネッツとこのスポンサーの契約を締結した。また、今シーズンから新たに導入された練習ジャージーへのロゴ掲出が可能となる契約も結ぶと、ネッツの公式スマートフォンパートナーとなっている。

この一連の契約はモトローラが、ネッツを通してこれから大規模なプロモーションを行っていくことを示している。そして数あるNBAチームの中で何故、同社がネッツを選択したのかといえば、その知名度だろう。ネッツにはケビン・デュラント、カイリー・アービングとNBAの中でも抜群の知名度を誇るスター選手が在籍し、さらに1月に入ってもう1人、ジェームズ・ハーデンというビッグネームが加入した。アービング、ハーデンは高い実力に加え、その自由奔放な振る舞いによるお騒がせキャラでメディアを賑わせている点も露出の面でいえば申し分ない。

世界各地に販売網を持つモトローラにとって、北米だけでなくグローバルな人気を誇るNBAは大きな魅力だ。昨シーズン、NBAはコロナウィルスの感染拡大によるシーズン中断を経て、いつもならオフシーズンである8月から10月頭にかけてシーズンを再開した。その際、アメリカでのTV視聴者数は苦戦したが、アメリカ国外においては全体的に増加。コロナ禍によって外出が制限されている中、世界的にはいつも以上に多くのバスケットボールファンが自宅でNBAを観戦していた。そして、ネッツは前述のようにスター選手が揃うことで注目度抜群のチームだ。それはアメリカ国外でも同じであり、ネッツの試合を通してモトローラは世界各国で、ロゴの露出を行うことができる。

STEM教育のためスマートフォンを提供する地域貢献活動

また、モトローラはグローバルなPRだけでなく、今回のパートナーシップによってネッツの地元地域での社会貢献活動にも精力的に取り組んでいく。ブルックリン地域における青少年へのSTEM教育の普及をサポートし、ニューヨーク市の公立学校に通うブルックリン地域のホームレス家庭の生徒たちを対象に10万台以上のスマートフォンを提供するのだ。さらに、地元自治体と一緒になって生徒たちにSTEM業界への就職に興味を持ってもらうことを目指す取り組みを行い、同社の上級役員たちがスピーカー役として参加する予定だ。

この活動も、子供たちにとって憧れのネッツであり、NBAのスター選手たちと一緒に行うことでより大きな訴求力が期待できる。今回のモトローラは、NBAのブランド価値を自社商品のブランドイメージや認知度向上だけでなく、現在の企業に大きく求められるCSRやSDGsの分野においても的確に活用している良い例だ。

ライター:鈴木栄一

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