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ドイツの資産運用会社が、NBAレイカーズのパートナーシップで狙う効果とは

・ドイツの資産運用会社とプロスポーツリーグとのパートナーシップ
・観客に富裕層が多く、アジア地域でも人気のチームと組むことで、グローバルマーケットにアプローチする狙い
・企業ロゴがホームゲーム開催時やチームSNSに掲出。その他チームの地域貢献活動として、ロサンゼルス地域の黒人、先住民などマイノリティの人々のアート作品を紹介、女性のビジネス進出支援など多岐に渡り行う。


観客制限もなくなったNBA、視聴者も増加傾向で露出効果アップ

北米プロバスケットボールNBAは10月下旬に2021-22シーズンが開幕した。今シーズンはレギュラーシーズン82試合で3年ぶりとなる通常日程での開催が予定されている。また、ワクチン接種が必要など条件はあるが、観客の人数制限がなくなり、満員のアリーナで観客が声援を送るいつも通りの環境となっている。

この日常が戻ったことは、テレビ視聴にも好影響を与えている。コロナ禍での無観客、もしくは観客を大幅に制限しての開催などで、歓声のないアリーナでの試合は味気ないものとなり視聴者数を減らしていた。それもエンターテインメント系オンラインメディア『DEADLINE』によると、調査会社ニールセンのデータとして現地10月20日にスポーツ専門局ESPNで放送されたボストン・セルティックス対ニューヨーク・ニックス戦は試合がダブルオーバータイムまで盛り上がったこともあるが、同局がシーズン開幕で放送する試合において2017年以降では最も多い視聴者数だった。

視聴数の増加は様々なポジティブな効果をもたらすが、代表的なものが露出効果増による広告価値のアップだ。そして世界最高峰のバスケットボールリーグの地位を確立しているNBAは世界中で多くの人々が観戦しており、アメリカ国内だけでなくグローバルに認知度を高めることができる。

NBAを代表する人気チーム、ロサンゼルス・レイカーズは今シーズンからドイツの投資会社DWSと公式グローバルインベストメントスポンサー契約を締結。同社のロゴがレイカーズのホームゲーム開催時、チームのSNSなど色々なところに掲出されていく。

ローカルの活動がグローバルに伝わっていける

DWSはドイツ銀行傘下の投資会社でありヨーロッパを中心に活動してきたが、これからビジネスを拡大する上においてアメリカは大きな市場。そしてNBA、中でも人気チームのレイカーズは平均チケットの単価はリーグ随一の高額。それに伴い富裕層へのPRも期待できる。さらに同社が重要視するアジア市場において、レイカーズは多くのファンを抱えていることも、大きな魅力となったはずだ。

また、DWSはこのパートナーシップに伴いレイカーズの地域貢献活動にも積極的に関わっていくことを発表している。そこにはロサンゼルス地域の黒人、先住民などマイノリティの人々のアート作品を紹介。地元の小中学校の体育活動に最新のテクノロジーを導入、メンタリングやスポンサー活動などで女性のさらなるビジネス界への進出を支援するなど多岐に渡っている。

今回の契約締結のリリースにおいて、DWSのビジネスオペレーション代表はレイカーズの魅力をこう語る。「レイカーズのようにDWSはローカルのための活動を行い、グローバルのことを考えていきます。私たちはグローバルにインパクトを与えることができるホームタウンチームです。」

SNSなどを使ってオウンドメディアによって様々な発信が可能となった今、地域に根ざした活動も世界中に宣伝できる。各企業にとってはローカルの活動を熱心に行うことでもグローバルに自分たちが熱心に社会貢献に取り組んでいることを、効果的にPRできる。まさにDWSのコメント通りの状況だ。だからこそ、スポーツスポンサーシップにおいて各企業は、スポーツチームであり、リーグや選手がどれだけ地域に愛されているのか、実際の試合以外の部分をしっかり見極めることがより重要となってくるだろう。

ライター:鈴木栄一

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