・パーソナルケアブランドとプロスポーツチームのパートナーシップ
・選手をさせた動画を制作したが、大きな反響が得られていない
・目的に照らし合わせて戦略立案し、施策を実施することが重要


ユナイテッド初の『電子スタイリング』カテゴリーで契約

アメリカ発祥で多彩な消費者向け製品を扱うスペクトラム・ブランド・ホールディングスは、同社のパーソナルケアブランドであるレミントンを通して、イングランドの名門サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッド(以下、ユナイテッド)と複数年のマーケティングパートナー契約を締結した。対象は男子チームだけでなく、女子チームも含まれる。また、これはユナイテッドにとって初の電子スタイリングカテゴリーでの契約だ。

レミントンはドライヤーやヘアアイロン、シェイバーといった電化製品を主力とし世界各国に事業を展開している。今回の契約はユナイテッドの知名度を活用してのグローバールマーケティングを促進する狙いだろう。

この発表にともない“The Story of You(あなたの物語)”と題されたムービーを公開している。内容は、ユナイテッドの男女の選手達がスタイリングの重要性であり、外見を整えることで自信がつき、パフォーマンスにもプラスに作用すると語り合うもの。同社は、このキャンペーンを通じ、顧客に最先端の自社製品を届けるだけでなく、選手達のように自信をつけて欲しい。また、スタイリングを通じて自信を得た経験をシェアするよう促していきたいとしている。

効果的なPRを展開できていない懸念

ただし、今回のアクティベーションについてはいくつかの懸念を指摘したい。まずは先述の映像について、例えばYouTubeの同ムービー再生回数は公開後ふた月を経て未だ2000回に届いていない。世界的に人気の高い選手らを起用したにも関わらず、この結果は想定外だったのではないだろうか。Twitterのアカウントを国ごとに多数開設しているが、パートナーシップを発表したツイートは大きな反応を得られていない。ファンを巻き込んだキャンペーンを展開するとしながらも、具体的な内容は現時点で明確にされていない点から、SNS展開戦略やストーリー作りが詰め切れていなかった印象は否めない。

ユナイテッドのように多くの新規スポンサーを獲得しているチームとの場合、きちんと戦略を練っておかないと高価な投資をしたにも関わらず、大勢の中の一つとして埋もれてしまいかねない。スポンサーシップの効果を最大化するためには、人気の高いコンテンツとの契約締結がゴールになってはいけない。彼らの知名度、ブランド力を生かしたアクティベーションの実現こそが不可欠であり、コンテンツサイド、スポンサーの両者が常に次の手を見据えて戦略的に取り組むことが求められるだろう。契約年数は複数年としていることから、今後どのようなキャンペーンを展開していくのか注目したい。