・大手転職エージェントと世界的サッカー事業グループのパートナーシップ
・選手やフロントスタッフがキャリア等について語る動画を作成(SNSで800万回以上の再生)
・クラブ運営に関する人材供給の実績により、転職エージェントとしての信頼を獲得したことは、スポーツ組織への求職者にとって他社との差別化要素となる


グローバルに事業を展開する共通項

イギリスに本部を置き、33カ国にオフィスを構える転職エージェントのヘイズ社は、Jリーグの横浜Fマリノスと3年間のパートナーシップ契約を締結した。同社は2013年にイングランドのマンチェスターシティ男子チームと公式リクルートメントパートナーの契約を締結。その後、2015年にアメリカのメジャーリーグサッカーに所属するニューヨークシティFC、2017年にはマンチェスターシティ女子チームと同様の契約を結んでいる。これらのサッカーチームの共通項は、すべてシティフットボールグループの傘下であるということだ。(シティフットボールグループは、マンチェスターシティ、ニューヨークシティFC、メルボルンシティFC、横浜Fマリノス、CAトルケ、ジローナFC、四川九牛FCの計7チーム)

同社のパートナーシップは2〜3年と比較的短い期間で設定している。ニューヨークシティFCとは昨年初めて更新を済ませ、今回2023年までの延長が発表されたマンチェスターシティとの契約は3期目となる。一度に10年契約とせず短期の更新をかけることで、その都度きちんとパートナーシップを評価しようとする意図が伺える。その結果、シティグループ内クラブの対象拡大が検討され、横浜Fマリノスが新たに追加されたのではないだろうか。また、今回の契約ではマンチェスターシティ海外遠征時のツアースポンサーとしての命名権も獲得している。世界各国で事業を展開する同社にとって、6カ国でサッカークラブを展開するシティグループは親和性が高い。

<これまでのパートナシップの成果をまとめた動画>

同社のアクティベーションの1つが動画の制作で、選手やフロントスタッフに対してキャリア形成やリーダーシップ、人材育成、成功への鍵、はたまた海外出張のコツといった仕事にまつわるテーマでインタビューを行ったものを多数公開している。これまで選手を起用した一連のコンテンツは述べ800万回以上SNS上で視聴されているという。これは同社のグローバル市場におけるブランディングに大きく寄与してきたことだろう。
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<選手が成功への原動力について語る動画>

人気の高いクラブスタッフの採用を支え競合との差別化を図る

さらに、同社は世界有数のサッカークラブ運営に求められる法務、経理、人事、マーケティング、広報などのプロフェッショナルな人材確保に貢献しており、パートナーシップを結ぶクラブとは計90以上の職種で採用を実現してきた。欧米ではプロスポーツクラブの職はドリームジョブと呼ばれるほど人気が高く非常に狭き門とされている。その難関に多くの人材を送った実績は、転職エージェントとしての信頼を得られ、スポーツチームへの就職を目指す人にとっての競合他社との大きな差別化要素にもなりうる。

こうした実務に直結するアクティベーションに加え、メンバー紹介時の社名露出や、社名を冠したクラブのSNSコンテンツによるブランディング効果を認めており、今回の契約更新及び拡大が決められたようだ。次の4年間はパートナーシップをフル活用したデジタル及びソーシャルコンテンツに一層力を入れていくとしている。

なお、横浜Fマリノスとの取り組み詳細は明らかになっていないが、試合当日のLED広告、トレーニングウェアやインタビューバックボードへのロゴ掲出、そして、クラブエンブレム、選手の包括肖像を活用したデジタルプラットフォーム、SNSコンテンツ作成を展開していくとのこと。これまで海外で展開してきたような、自社の強みを活かしたアクティベーションで日本市場にもインパクトを与える事ができるか、注目していきたい。