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オンライン事例

サンタンデール銀行、リーガのスポンサーシップを通したCSR活動

写真:アフロ


・プロサッカーリーグと、リーグのタイトルスポンサー(銀行)が実施した音楽チャリティーイベント
・各チーム選手と人気ミュージシャンが地元からオンラインでライブ出演し、コロナウィルス対策へのチャリティを呼びかける
・世界中から集まったと寄付金(1億1600万円以上)は、銀行の主催する財団を通して、ウィルス対策に必要な機器の購入に充てられる


人気ミュージシャンと選手が出演するライブイベントを実施

新型コロナウィルスの感染拡大により、世界の大半のプロスポーツは中断を余儀なくされている。当然のようにスポーツリーグ、チームのスポンサー企業にとっては露出が一気になくなったことで、告知効果が大きく減少し大きな痛手となっている。

ただ、少なくない企業にとってスポーツへのスポンサーシップは、自分たちの認知度、ブランドイメージ向上だけを目的としたものではない。社会性、文化的な要素が強いスポーツを支援することはCSR(企業の社会的責任)活動の側面も大きい。そして今、世界中が大きな困難に直面していることで、CSRはより必要とされている。

そんな中、スペインの男子プロサッカーリーグ、ラ・リーガのタイトルスポンサーを務めるサンタンデール銀行は、先日、リーガと共同で大規模な音楽チャリティーイベントを実施した。『ラ・リーガ・サンタンデールフェス』と名付けられたこの企画は、人気ミュージシャンと各チームから1名の選手が、それぞれの地元からオンラインでのライブ出演を行い、新型コロナウィルス対策への寄付金の支援を呼びかけたものだ。

現地3月28日に行われ、ラ・リーガだけでなく、サンタンデール銀行のSNSでもライブ配信され、計180の国と地域で視聴できた。その結果、イベント終了後にリーグの公式HPでは合計で5,000万人以上が視聴し、総額100万ユーロ(約1億1,600万円)以上の寄付金が世界中から集まったと発表している。これは同銀行の主催する財団を通して、ウィルス対策に必要な機器の購入に充てられる。

試合がなくてもスポーツを通してこそ大きな効果が得られるアクティベーション

また、このイベント以外でも、サンタンデール銀行はコロナ対策支援として本社のあるマドリードの病院に新たに2000床のベッド、人工呼吸器を購入できるよう地元政府に400万ユーロ(約4億6,000万円)を寄付。また、100万ユーロを費やし、100万枚のマスクを購入して自治体に寄贈するなど様々な支援を行なっている。

このように企業の社会的責任を果たすことに尽力しているサンタンデール銀行だが、今回の音楽イベントでもタイトルスポンサーを務めるなど大きな支援を行なった。結果的にスペイン国内だけでなく、世界中のサッカーファン、スポーツファンに改めて知名度を大きくアピールできた。

そもそも、同銀行がリーガとタイトルスポンサー契約を結んだのは2016年からでスペイン語圏を中心に海外進出の戦略を強めていくにあたり、抜群の人気を誇るラ・リーガのスポンサーとなることでの認知度向上が大きな目的の1つであったと見られる。そして、イベントの視聴者数が示すように、今回はその目的を大きく達成できたといえよう。

スポーツには大きな公共性と人々を惹きつける魅力がある。スポーツを通したCSR活動だからこそ、企業が得られるプラス効果があることを示したイベントだった。

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