・アスリート能力以外に選手のファッションセンスもスポーツアパレルにとって重要なポイント
・選手のSNS発信力がパートナーシップの一つの指標に


 アディダスが、新たにナッシュビル・プレデターズに所属するPK.Subbanとパートナー契約を結んだ。NHLの公式アパレルライセンスは昨シーズンまでアディダス傘下のリーボックが取得していたが、今シーズンからアディダスへ変更されている。

 そういった影響もあって、アディダスとしてはブランドの広告塔となるトップNHLプレーヤーとのパートナーシップ契約を進めている背景がある。現在、NHLにおけるアディダスの顔といえるのが、昨シーズンに若干20歳にしてレギュラーシーズンMVPを受賞したエドモントン・オイラーズ所属のConnor McDavid。アディダスは早くから彼の将来性を高く評価し、ルーキーシーズンとなる2015年秋にはエンドースメント契約を結んでいる。

 また、他の契約選手たちを見ても数多くのタイトルを獲得してきたSidney Crosbyを筆頭に、Brent Burns、Tyler Seguinといったアイスホッケーを国技とするカナダ出身の見事な実績を残したスター選手たちばかりだ。

 そんな中、Subbanもリーグの最優秀ディフェンスマン賞に輝くなどトップクラスの実力者だが、一方で所属するプレデターズはスモールマーケットかつ、アイスホッケーが浸透していない南部のナッシュビルとマスメディアへの露出自体は決して多いとは言えない。

 だが、Subbanは彼らにはない特徴がある。選手としての高い実力に加え、氷上の格闘技と呼ばれ無骨なイメージの強いアイスホッケーにあって、そのステレオタイプとは真逆のファッションセンスに優れた選手として知られているのだ。彼の公式HPにはスーツなどのフォーマルから、カジュアルまで様々な私服を着用した姿を紹介するページもある。北米スポーツ界でも屈指のファッションアイコンである彼は、アイスホッケーの枠に留まらないファンを獲得しているのだ。

 その結果として、彼のtwitterのフォロワー数はNHLで唯一の100万人越え。冒頭で紹介したこれからのNHLを担う看板選手McDavidのフォロワー数が約30万人であることが、Subbanの100万人のブランド力の高さを強調している。ここ数年、スポーツアパレルにおいても機能性に加え、デザイン性もより重要視されるトレンドとなってきた。アスリートだけでなく、人気モデルなどをブランドアンバサダーに迎えてブランド展開をするケースが増えている。

 だからこそ、Subbanのようにトップアスリートかつオシャレな選手は、メーカー側にとってより存在感が高まる。また、若者のテレビ離れが加速している中、SNSでの発信力が高い人物は、プロモーション効果においても価値が高い。実力があってこそではあるものの、セルフプロデュース力の有無は、パートナーシップ契約において優先度がより高くなってくるのは間違いないだろう。