・ゲータレードが主体的にTwitterで高校バスケをライブ配信。
(通常では、放送局が制作、企業はスポンサーという関係性)
・スマホを意識したSNSでのライブ配信はテレビ離れの進む若年層獲得のカギ。


 現在、Twitterでは様々なライブ配信が行われている。スポーツにおいても、わずか1シーズンに終わったが昨年はNFLのサーズデーナイトを中継するなど積極的に取り組んでいる方針が伺える。

 そんな中、今年に入り、大手スポーツ飲料メーカーのゲータレードが、デジタルエージェンシーのVMLと制作会社Interspotと協力し、アメリカ高校バスケットボールの動画配信をTwitterで開始した。このゲータレードによる番組は「#TheDebut」と銘打たれ、1月19日のスパータンバーグ高校対シャノンフォレスト・クリスチャン・スクールの試合を皮切りに試合のライブ配信が始まっており、試合中はサイドラインにゲータレードの製品が置かれるほか、番組タイトルにもゲータレードロゴがあしらわれるなど、随所に同社のロゴが提示される。

 ゲータレードでカスタマーエンゲージメント部門を統括するケニー・ミッチェル氏は、配信開始を前にスポーツ全般とTwitterのプラットフォームとの親和性の高さに期待を示した。また、「#TheDebut」はゲータレードにとって、ブランドの知名度向上や消費者との結びつきを強めることが狙いであり、利益を目的としていないことも強調した。

 従来の番組といえば、放送局側が制作し、企業はスポンサーとして関与するものだった。自らが中心となって番組を立ち上げることで、より自分たちの望むPRを行える一方で、当然ながら色々な労力が必要となる。

 こういった点について前出のミッチェル氏は、然るべき方法さえ見つけ出せれば、ライブストリーミングは我々にとってチャンスであると述べている。多くのユーザーとの接点が持てるTwitterでの展開は、既存のバスケファンのみならず、新たな視聴者の獲得や、ブランドの認知度向上に繋がるという目算は理に適っている。

 また、「#TheDebut」はTwitterにとって初めてアメリカ高校スポーツを扱う番組となったわけだが、Twitterでスポーツ放送パートナーシップを統括するアンドリュー・バージ氏は、高校バスケットボールは巨大にして未開発の分野であり大きなチャンスでもあるとした上で、「#TheDebutは高校スポーツに特化した番組だが、全てのバスケファンに反響を及ぼすでしょう」と、コンテンツとしての影響力の高さに期待を示した。

 また、フォーブス誌は電子版の記事にて、ゲータレードの番組について「親戚や卒業生しか見ないようなNFHSネットワークやThe Cubesといった既存のサービスとは異なり、(大手スポーツ専門チャンネルの)ESPNが放送する高校スポーツの中継に類似する」と評価。同番組で解説を務める1人である元NBA選手のネイト・ロビンソンは全世界の誰もが、SNSを通じて高校バスケをライブ観戦できる「#TheDebut」の持つポテンシャルの高さについて言及している。

 若年層を視聴者として取り込むのは、今回の試みを成功させる上で大きな鍵を握ることになりそうだが、若い世代のテレビ離れが進むなか、普及率の高い端末を使用しつつ、場所を選ばないSNSでのライブストリーミングは、そうした面でもアドバンテージとなるだろう。

 テレビの世界においてはあくまでスポンサー側だった企業が主体となって制作したコンテンツ、それもプロスポーツではなく高校バスケというアマチュアスポーツのSNS上でのライブストリーミングがどこまでインパクトを残せるか、今後の展開に非常に注目したい。