・マイレージクラブ会員限定の豪華ツアーチケットのオークションを実施。
・自社の事業をクリエイティブに上手く絡めたプロモーション映像。
・人気コミックのマーベルシリーズ風のコミカルな演出。(=オリジナリティ溢れる秀逸な選手肖像の活用)


 開幕直前となった平昌冬季五輪だが、それに伴いIOC(国際五輪委員会)や各国の五輪委員会であり、出場選手たちとスポンサーシップ契約を結んでいる企業による五輪を絡めた様々な広告が掲出される時期となっている。その中でCMを制作する企業は多いが、一方で日本の場合、選手たちが登場するケースは試合中などの映像を使い、「私たちはこのチーム、選手たちを応援しています」といった画一的なものが少なくない。企業がサポートしていることは分かるものの、それぞれの企業ならではの個性が余り見られないのが現状ではないだろうか。

 一方、世界では選手たちを自分たちの展開している業務と絡めた形で出演させることで、自社のPRをより効果的に行おうとするケースもよく見受けられる。その1つの例として紹介したいのが、USOC(アメリカ五輪委員会)のパートナーとなっているユナイテッド航空の平昌五輪に絡めたプロモーション映像だ。

 アメリカの場合、五輪開催まであと100日といった区切りのタイミングで、各パートナー企業がプロモーション活動をスタートすることが多い。企業はそれぞれ代表内定、もしくは代表濃厚の選手たちを複数選んでチームを構成(有力選手たちが、複数の企業に選択されることもある)。

 今回、ユナイテッド航空では下記の選手たちを平昌五輪におけるチームユナイテッドのメンバーに選出し、同社の展開するキャンペーンに登場させている。

・ガス・ケンワーシー(男子スキーフリースタイルのスロープスタイル。2014ソチ五輪銀メダル)

・ジェイミー・アンダーソン(女子スノーボードのスロープスタイル。2014年ソチ五輪金メダル)

・JR・セルスキー(男子ショートトラック。2014ソチ五輪銀メダル、2010バンクーバー五輪で銅メダル2つ)

・エリン・ハムリン(女子リュージュ。2014年ソチ五輪銅メダル)

・ネイサン・チャン(男子フィギュアスケート)

・ニッコ・ランデロス(男子スレッジホッケー、2010年バンクーバー、14年ソチの両パラリンピックで金メダル)

 ちなみに、ユナイテッド航空は、アメリカ五輪代表チームの公式エアラインを約40年間にわたって務め、代表選手たちの移動には同社が使われてきている。様々なアクティベーションが行われているが、その目玉企画の1つとして今回はマイレージクラブ会員限定で、2月17日から21日にかけビシネスクラスでの飛行機移動、ホテル代にスキージャンプ、アイスホッケー、フィギュアスケートなどチケット代も含まれた2名の豪華観戦ツアーをオークション形式で提供するなどしている。

 今回のプロモーション映像では、まず選手たちも試合中の姿ではなく、それぞれが人気コミックのマーベルシリーズ風のヒーローを彷彿とさせる衣装で登場。そして、1人の選手がヒーローらしく「このまま平昌まで飛んでいこう!!」と叫んだところで、他の選手が「私たちは飛ぶことはできないわよ」と冷静な突っ込みを入れた後で、でもユナイテッドから彼らを韓国まで運ぶことができるとナレーションが入る。そして、パイロット、オペレーションスタッフ、フライトアテンダント、ウイングウォーカーなど同社の実際のスタッフを、スーパーヒロー風に紹介して締めるといった内容となっている。

 このようなコミカル風の映像は、特徴的でインパクトが強く視聴者の印象に残りやすい。その上で各業務を担うスタッフを登場させることで社員たちの会社にたいするロイヤリティー向上も期待できるのではないだろうか。

 五輪はスポーツファンだけでなく、一般の人々も関心を寄せるビッグイベント。だからこそ自社のブランドイメージ向上への大きなチャンスであり、そのためには画一的なものではなく、どれだけ個性的な広告を作れるかが大きな鍵となってくるはずだ。