・学生男子バスケの全米選手権にて、大手ピザチェーンがアンブッシュプロモーションを実施。
・「あり得ない事が起こったら、ピザとドリンクを無償提供」という内容だったが、実際にその事象が起こってしまい、各店舗に長蛇の列ができた。
・「○○点以上取ったら、○○をプレゼント」といった試合のプレーや結果に連動したプロモーションはファンの心を掴みやすい。


全米3位のピザチェーンLittle Caesarsが、毎年3月に開催される全米大学体育協会(NCAA)が主催する男子バスケットボールの全米選手権でユニークなピザ無料配布のプロモーションを行い大変な話題となった。この大会は「March Madness」と呼ばれるように、アメリカスポーツ界における春の一大イベントとして知られる注目のトーナメントだ。

プロモーションの内容は、「もしあり得ない事が起こったら」ピザを無料で配布します、という物で、その「あり得ない事」が今年のトーナメントで起こったのだ。トーナメントは4つの地区に分かれて勝ち残り式で戦うのだが、地区ごとに1位~16位のシードが割り当てられ、1回戦は第1シード校VS第16シード校、第2シード校VS第15シード校という様な組み合わせとなる。今回「あり得ない事」が起こったのはSouth地区の1回戦で、第16シードのメリーランド大学ボルティモアカウンティ校が、74-54で第1シードのバージニア大学に勝利。第16シードが第1シードを破ったのは、トーナメント史上初の出来事であった。

Little Caesarsはその約束通り、4月2日に11:30~13:00の間にオーダーをした客全てに5ドル相当のランチセット(ピザとドリンク)を無償提供。この無料ピザの提供はこの世紀の番狂わせのニュースと共に全米で紹介され、無料配布当日はLittle Caesarsの各店舗に長い行列を作る客の映像が流された。同社は昨年4月にも「あり得ない事」プロモーションをNASCARのレースの一つで行っている。人気のルーキードライバーがあるレースで優勝したらフリーランチセットを提供という内容であったが、こちらは残念ながら実現しなかった。しかし、今回実際にピザの無料配布が実現した事により、次回はプロモーションを発表した時点でもっと話題になる事だろう。

ちなみに、NCAAのオフィシャルピザパートナーは業界最大手のPizza Hutで、2016年10月にNCAAと複数年契約を発表している。Pizza Hutは人気コンテンツの男子バスケットボールトーナメントにとどまらず、Division Iの32の大会をスポンサーしている。ただ、今回の大会ではPizza Hutよりも、Littele Caesarsの方が露出効果を得たと言えるのではないだろうか。

スポーツならではのプレーや記録にちなんだプロモーション

他にもスポーツのプレーに関連したプロモーションは多く行われており、マイケル・ジョーダンの出身校で有名なノースカロライナ大学(UNC)では、チームが100点以上を試合で獲得すると、その翌日に、南東部でチェーン展開をする、Bojangles、というファーストフード店が「ソーセージビスケットバーガー2個を1ドルで提供」というプロモーションを長年続けている(以前は無料ビスケットの配布だったようだが)。UNCのファンの間では有名なプロモーションの為、チームが100点に近づくと「ビスケット、ビスケット!」と大きな合唱が起こる程だ。マクドナルドもNBAのポートランド・トレイルブレイザーズが100点以上を試合で獲得すると、翌日無料のソーセージマフィンが提供されるプロモーションがファンに人気だ。

プロモーションで試合を盛り上げ、ファンに近い存在に

これらのプロモーションは結果がわからないスポーツならではのプロモーションであると言える。出そうで出ないプレーや記録のスポンサーとなり、ファンと一緒に試合を盛り上げる事によって、ファン(消費者)により近い存在となれる点はスポーツスポンサーシップの魅力の一つである。自社のプロモーションを楽しみにファンが試合に足を運ぶなんて、企業にとっては最高のシチュエーションではないだろうか。