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アンブッシュ事例

ファッションブランドが、サッカーW杯で仕掛けた社会課題への啓蒙活動

https://twitter.com/bjornborg/status/1007263142085263360


・スポーツ&ファッションブランドによる国際的スポーツイベントでのアンブッシュマーケティング
・ロシア対サウジアラビアの開幕戦で、スマホの特設ARサイトを現実風景にかざすと、キスをしている男性カップルのフラッグが現れるという企画
・同性婚を認めない国が多い現状の改善に向け、同社が実施するLGBTQ啓蒙キャンペーンの一環


ロシアW杯で同性婚禁止の社会課題を啓蒙

2018年に開催されたサッカーのロシアW杯で、スウェーデンのスポーツ&ファッションブランドのビョルン・ボルグ社がセクシャルマイノリティ『LGBTQ』に関する社会課題を啓蒙する企画を行った。それは、ロシア対サウジアラビアの開幕ゲームで特設ARサイトにアクセスすると、現実風景に重なるようにキスをしている男性カップルのフラッグをスクリーン上に表示させるもの。会場外からも特設サイトにアクセスできるようになっているため、自宅からでも企画に参加できる。試合会場で試すと「LOVE WILL WIN TONIGHT(愛が今夜勝利する)」と書かれたフラッグが、あたかもスタンドに掲げられているように見える。

これは、同性婚を認めない国が多い現状の改善に向け、同社が実施する啓蒙キャンペーン『#marriageunblocked』の一環で行われたものだ。ロシアとサウジアラビアが選ばれたのも、両国で同性婚を厳しく禁止されていることに起因しており、世界中のLGBTQの人々の権利が保障されるように状況改善を訴えている。同社はW杯のスポンサーでないため、開幕戦でこのキャンペーンを実施したのはアンブッシュマーケティング だ。

ファッションでは近年、男女の区別がないユニセックスの商品がより浸透してきている。そして、元テニスのスーパースターであるビョルン・ボルグが設立した同社は、スポーツアンダーウェアをメイン商品としている。このような背景から、スポーツ大会にあわせたプロモーションはメディアにも取り上げられやすく、話題性がある。

今回のような社会課題を主題としたプロモーションとする場合、分かりやすくその内容を伝えることが最も重要となる。その点、ARフラッグを見れば誰でも同性愛と絡めた内容なのが理解できるシンプルな設計にしたことも、優れた点だ。同様のテーマのマーティングを考えている担当者には、好事例としてぜひ参考にしていただきたい。

ライター:編集部

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