・高級自動車ブランドと人気レースゲームのeSports大会とのパートナーシップ
・既存のスポーツ協賛とは異なる「ゲーム好き」というセグメントされたターゲットへのアプローチ(=新規顧客開拓)


メルセデス・ベンツが、ソニー・インタラクティブエンターテイメントのイタリア支社とパートナーシップを締結し、同国で行われる人気レースゲーム、グランツーリスモのeSports大会のパートナーを務めることが発表されている。

グランツーリスモはソニー・インタラクティブエンターテイメントから発売されているレースゲームだ。すでに発売されてから20周年を迎え、グランツーリスモシリーズは全世界累計実売8,040万本を突破しており、世界的人気を誇るレースゲームとなっている。

大会名はメルセデスの企業名が入った「Gran Turismo Sport E-Cup by Mercedes」となり、すでに7月2日からスタートしている。オンライン予選が9月16日まで行われ、最終的には7人の最優秀選手が決勝に進出する。予選と時期が重なるF1のイタリアGPの期間中にも関連しイベントが行われる。

また、この大会で参加者が使用する車は、メルセデスの「Mercedes-AMG GT S ’15」となる。大会の優勝者には、3,000ユーロ相当のamazonギフト券と、メルセデスのドライビングアカデミーで最新AMGを運転できる機会が与えられる。

eSportsへのスポンサーシップ

メルセデスの例のように、eSportsへのスポンサーシップを始める企業は年々増えている。

2018年の平昌五輪の開幕前にはeSportsの大会が行われ、その模様がオリンピックの公式チャンネルで配信されるなど、正式なオリンピック競技として認定にされるかどうか注目を集めている。公式認定されてeSportsが広まっていくことで、eSportsへのスポンサーシップを行う企業はますます増えていくだろう。eSportsへのスポンサーシップは、通常のスポーツへのスポンサーシップとは異なり、「ゲーム好き」という属性の人々へのアプローチが可能であり新規層の開拓に繋がる。

メルセデスの場合、サッカー、テニス、ゴルフなど様々なスポーツへのスポンサーシップを行っている。こうした取り組みもそれぞれのスポーツのファンにアプローチを図って、ブランドの認知向上やイメージアップが目的だ。

一方で、eSports大会へのスポンサーシップでは、レースゲームが好きな人々がターゲットとなるため、既存のスポーツへのスポンサーシップでは届かなかったターゲットへのアプローチが可能となる。

また、メルセデスの車がそのままゲーム中に使用されるため、大会の参加者や観戦者などにメルセデスがスポンサーであるということをより認知してもらいやすい。結果として、グランツーリスモやレースゲームのファンの自社へのブランドイメージを高めることができる。

潜在顧客へのアプローチを図りブランドイメージを高め、数多くある自動車ブランドから一歩抜き出るための取り組みは自動車メーカーにとって非常に重要だ。その手段としてスポーツだけでなくeSportsへのスポンサーシップはまだまだ未開拓の地であるため、大きなビジネスチャンスがあるだろう。メルセデスのように、多くのスポンサー企業が積極的なアクティベーションでeSportsを盛り上げていくことを期待したい。