・映画配給会社(アメリカ)とプロスポーツチーム(イタリア)のパートナーシップ。
・両者が“一流のエンタメ提供”という共通の目標を持ち、顧客に喜んでもらえるようなプロモーションを展開。
・チーム側は、映画館等の場で通常とは異なるファン層の顧客にアプローチできる、海外市場にアプローチできるといった点がメリット。
・企業側は、TVや雑誌よりも、よりリアルにファンの反応を確認する事ができるといった点がメリット。


ASローマが、ハリウッド映画のイタリア国内でのPRに協力

イタリアのプロサッカーリーグ、セリエAの強豪チームであるASローマが、9月に、アメリカに本社を置く映画配給会社のワーナーブラザーズのイタリア支社と2018-19シーズンのオフィシャルパートナーシップ契約を発表した。今後両者は新しい取り組みやイベントを一緒に行って行く計画だが、その一つとして、同社が今後イタリアで公開する新作映画のプロモーションへのチームの協力も含まれている。第一弾として、10月公開のハリウッド映画『ヴェノム』の予告映像にASローマの選手達が出演し注目を集めた。

ヴェノムは人気アメリカンコミックであるマーベルヒーローシリーズのダークヒーローを主人公とした映画。予告編では、ダニエレ・デ・ロッシやコスタス・マノラス等を含む現役のスター選手4人の他に、チーム史上に残る名選手であったフランチェスコ・トッティもカメオ出演している。選手らが地球外生物に寄生されヴェノムと化している、という内容でローマファンにとっては、スター選手が演技をしているのを目にする事ができる貴重な機会だろう。今後もシーズン中にワーナーがイタリアで公開する映画へチームがプロモーション協力をする予定だが、具体的なイベント等、詳細はまだ発表されていない。

#NoiSiamoVenom – VENOM – Dal 4 ottobre al cinema

Venom contagia l’AS RomaAS Roma e Warner Bros. Entertainment Italia insieme per la stagione calcistica e cinematografica 2018-19. #noisiamoroma #noisiamovenom

AS Romaさんの投稿 2018年8月30日木曜日

映画業界とサッカーチームのパートナーシップの増加

圧倒的人気を誇るサッカークラブは、プロモーションルートの一つとして、大々的にPRを行いたい企業に近年ますます好まれる傾向にある。 映画業界とサッカーチームの大きなパートナーシップ契約はこれが初めてではなく、例えばイングランドのマンチェスター・ユナイテッドは2016年より20世紀フォックスと、 アーセナルはユニバーサルピクチャーズと2017年にパートナーシップ契約を結び、自国での新作映画のプロモーション協力を行った。

マンチェスター・ユナイテッドは映画のプロモーションビデオへの選手の出演のほか、試合の日のスタジアムでのプロモーションや、デジタル掲示板への掲出等を行って映画の宣伝協力をしていた。

契約締結の当時、マンチェスターユナイテッドのマネージングディレクターは次のようにパートナーシップの効果について述べている。「イギリス国内だけで、実に1億5000万人が年間映画館へ足を運んでおり、サッカー同様、映画産業は不動の国際的人気を誇る誰もが楽しめる娯楽だ。マンチェスター・ユナイテッドと20世紀フォックスはそれぞれの分野のリーダーであり、我々はお互いの観客にお互いを紹介し合える事を嬉しく思っている。」

スポーツチームにとって映画のプロモーションに協力する事は、例えば映画館で選手出演の予告編を流してもらえる等、普段とは違う層にアプローチできる機会となる。また、アメリカの映画会社は地元の人気チームに協力してもらう事によって、イタリアやイギリスにおいてもハリウッド映画により親しみを持ってもらえる。

スポーツ業界と映画業界との提携は、一見すると異業界の提携の様に見えるかもしれないが、両者とも“人々に感動を与える一流のエンターテイメントの提供”という共通の目標を共有している。今後も両者協力の下、チームのファンに喜んでもらえるようなプロモーションを展開していく事であろう。映画会社にとってもチームとの提携は、不特定多数へのTVや雑誌広告よりも、よりファンの反応を確認する事ができる効果的な宣伝方法であると言える。