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ビールブランド、マラソン大会でSNS重視のアクティベーション戦略に変更

https://twitter.com/MichelobULTRA/status/1059281437256491008


・低カロリービールブランドと参加型スポーツイベントのパートナーシップ
・ビール好きな一般ランナーを集めてチームを結成。彼らをインフルエンサーとしてSNSで積極的に情報発信
・昨年度優勝者をインフルエンサーランナーの募集告知や指導役に起用


ロゴ露出やサンプル配布からSNSマーケティングへ

5万人以上が参加するTSCニューヨークシティマラソンの戦略パートナーであるビールブランドのミケロブ・ウルトラが、同大会におけるアクティベーション戦略を変更している。

ミケロブ・ウルトラは大手ビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ社が製造する、通常よりも糖質やカロリーが低いビールだ。その特徴をいかし、ランナーに限らず運動好きで健康志向の高い人々へのアピールを強化したい狙いがある。

もともと、同ブランドは大会においてゴールテープでのロゴ露出やサンプル配布などのアクティベーションに力を入れていた。しかし、これまでの方針を変更し『チーム・ウルトラ』というランニングチームを結成する。これはビール好きな95名の一般ランナーで構成されている。メンバーは特別なトレーニングを受けることができ、またその様子などをSNSで発信することで、インフルエンサーとしての役割を担う。

チームの活動は、同大会の公式アカウントでも発信されている。また、2017年の女子部門の優勝者であるシャレーン・フラナガンがランナー募集の告知を行い、メンバーを指導するなど積極的に携わっている。これらの投稿には #TeamULTRA のハッシュタグが使用され多くの人々へのリーチを図っている。

また、大会時にはニューヨーク市内のコースの至る所に、”WELCOME TO NYC BEER RUNNER”、”16.8 MILES TO BEER” などのメッセージが書かれた屋外広告を設置し、ランナーのモチベーションを高めるような取り組みも行なった。

『ランナーを支援する健康的なビール』というイメージを訴求

もともとのアクティベーションであるロゴ露出やサンプリング配布は、認知拡大を目的として今でも活用されている手法である。しかし、これまでのやり方だと『健康的なビール』というイメージは訴求しづらい。そのためチームを結成し『ランナーを支援する健康的なビール』というイメージを訴求する戦略に変更したと考えられる。

特筆すべきはこのメンバーが一般の人々から選定されている点だ。ランナーがそれぞれSNSなどを通して発信することで、口コミとしてその友達や家族に伝わりブランドイメージを高めることができる。また、この活動が拡散されることで多くのランニング愛好者たちへのアプローチを図っている。

一見すると、マラソンとビールなどのアルコール飲料はマッチしていないように見える。しかし、ミケロブ・ウルトラが健康的なビールであること、ランナーの中にもお酒を楽しみたい人がいることを考えれば、このような取り組みはそうした層へのアプローチとして効果的だろう。

ライター:編集部

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