・中国のオンラインカジノと英プロサッカーチームのグローバルパートナーシップ
・中国人女性インフルエンサーが北京からチームのあるサウサンプトンまで旅をし、その途中で現地ファンと交流する様子を中国の人気SNSで発信
・スポンサーのみならず、チームにとっても、アジアにおける新規ファンの開拓につながる
中国人女性インフルエンサーが現地ファンと交流
サッカーのイングランド・プレミアリーグに所属するサウサンプトンが、公式アジアンベッティングパートナーである中国のオンラインカジノTLC BETと共同で、中国の人々をターゲットにしたSNS企画を実行した。
それは中国人女性インフルエンサーのHais Liu、Libaoの二人に北京からサウサンプトンまで旅をしてもらい、その途中で出会った現地ファンと交流を行う。そして、その模様を帯同したクラブスタッフと撮影クルーが撮影し、中国で人気のSNS、共に自社発表によるとユーザー数約7億人のWeibo、約10億人のWeChat、サッカーアプリのDiudiongqで発信した。
An epic journey begins! ?
Two fans are taking on the TLC Bet ‘Journey to the West’ Challenge, from Beijing to #SaintsFC’s St Mary’s Stadium!
? https://t.co/et8Th6C4gA pic.twitter.com/6naHxzxSnq
— Southampton FC (@SouthamptonFC) October 13, 2018
この旅で二人はロシア、ドイツ、オランダ、フランス、そしてイングランドを訪れた。最終的にはチームの本拠地セント・メリーズ・パークに到着し、クラブマスコットと戯れたり公式ストアで買い物をした後、ニューカッスル・ユナイッテッド戦を観戦している。
『Journey to The West』と名付けられこの動画シリーズは全部で18本制作され、合計で6800万のインプレッションと400万ビデオ再生を記録し、多くの中国の人々へのアプローチに成功したと言えるだろう。
二人がサウサンプトンに到着したときの動画はこちら(weiboサイトへ移動)
新規ファン獲得という目的でクラブ、スポンサーとも一致
今回の取り組みは、サウサンプトンが中国のファン、TLC BETが利用者を増やす目的から実現したものであると考えられる。
日本では吉田麻也選手の所属チームという印象が強いサウサンプトンであるが、同じプレミアリーグに所属する成績上位のビッグクラブと比較すると、イギリス国外での知名度は低い。そのため、人気インフルエンサーを起用することで中国における認知度向上と、新しいファンの獲得が狙いだろう。
TLC BETは、数あるオンラインカジノの中から選ばれるためにこの企画を通してサウサンプトンを筆頭にしたサッカーファンへのアプローチを図れる。そして、名前がより知られることによって、サービス利用者増加が期待できる。
こうしたマーケティング手法は、インフルエンサー自身のファンも巻き込むことができるため、サッカーファン以外の層へのPRも期待できる効果がある。また、“彼女たちが北京からサウサンプトンに向けて旅をする”という企画にはストーリー性があることで、視聴者が一体感や共感を生みやすい点も、この事例の優れたところだ。