・大手ゴミ処理会社と人気ゴルフトーナメントとのパートナーシップ
・自社のゴミ処理技術を活用して大会でゴミゼロを実現。(リサイクルの徹底、水質保護の向上、再生可能エネルギーによる電力供給、余剰食料の寄付等を実施)
・大会自体の価値を高め、ゴルフ団体で世界初のゴルフ環境団体認証大会となる
・地元NPOと提携し、バーディー数に応じてチャリティの募金額を決めるチャリティイベントも実施。


大手ゴミ処理会社が冠スポンサーを務める人気ゴルフトーナメント

2019年1月、米PGAツアーのフェニックスオープンで冠スポンサーを務めてきた米大手ゴミ処理会社のウェイストマネジメントが、2030年まで契約を延長することを発表した。

この大会は80年以上の歴史があり知名度も高く、2016年から17年にかけては松山英樹が連覇を成し遂げたことで日本人ファンにも馴染みある大会だ。2018年には、練習日から大会最終日までの1週間を通じて72万人弱が来場し、PGAツアー歴代記録を更新している。

今回の契約更新により、大会名も『ウェイストマネジメント・フェニックスオープン』のままとなる。そして、同社のゴミ処理技術のノウハウを活かし、“Greenest Show(最も環境に優しいショー)”と銘打ち大会でのゴミゼロを目指す取り組みも継続される運びとなった。

この取り組みは2014年から行われている。主に施設やスタンドの設営・撤去作業の効率化による温室効果ガス排出量の削減、リサイクル・堆肥化・再利用により埋め立てを100パーセント回避、排水ポイント増加による水質保護の向上、再生可能エネルギーにより電力供給を全て賄うといったことを実現してきた。2017年には余剰食料を地元非営利団体へ寄付するなど、ゴミゼロへの徹底した取り組みにより、ゴルフトーナメントとして世界初のGEO(ゴルフ環境団体)認証大会となった。

大会を通してゴミ削減への見本を示す

ウェイストマネジメント社のジム・フィッシ会長兼CEOは「私どもはこの大会や雰囲気、そして我々のブランド力を強化してくれる部分を大変気に入っている。最も重要なのは、この大会で私達がゴミゼロへの解決法の見本を示し、ファンに対して地球環境を良くしようと考えるきっかけを与えられることだ」と取り組みの価値を語る。その言葉通り、PGAツアー最大の観客動員を誇る大会で自社の露出度を高めるのはもちろんだが、社会的に関心の高い環境問題に対して、同社が持つ技術を大会運営に役立てることで、存在意義を高めることに成功しているのである。

また、2019年は、観客動員数で話題作りをするのではなく、チャリティーに力を入れていることを認知してもらいたいとの大会側の意向から、観客動員数は正式発表されていない。大会を通じた全バーディ数で募金額を決めるチャリティーイベントを催すなど、地元の非営利団体サンダーバーズ・チャリティーズと提携し、助けを必要とする地元社会の子供たちやその家族のために募金を集めた。

自社の技術を存分に活用することで、大会自体の価値を高めているこのトーナメントの有り様は、ゴルフのみならず、スポーツイベント全般の運営者やスポンサーにとって、参考になる部分がたくさんあるのではないだろうか。