・非営利の医療団体とプロスポーツ団体とのパートナーシップ
・オフィシャル医療福祉パートナーの他に、全米女子オープンのスポンサーも務める。これにより大会賞金総額が約450万ドル増額。
・大会支援を通じて認知度拡大とゴルフファンの富裕層へアプローチすることで、今後8年間で10億ドル以上の資金を目指す
非営利の医療団体が全米女子オープンのスポンサーとなり賞金総額が約2倍
スポンサーシップの対象として、スポーツチームの持つ大きな魅力の1つは地域密着度、公益性の高さだ。おらが街のシンボルとしてスポーツチームは地域の人々に受け入れられやすい。だからこそ企業がスポーツスポンサーシップのアクティベーションとしてチームと共に社会貢献となるCSR、SDGs活動を実施するケースはどんどん増えている。企業単体より、チームと一緒に行うことで多くの人が参加してくれるなどより地域を巻き込んだ大規模な活動となるからだ。
この流れで紹介したいのが、非営利の医療団体プロメディカが、全米ゴルフ協会(USGA)と結んだパートナーシップだ。プロメディカはこの契約により協会のオフィシャル医療福祉パートナーになるだけでなく、今年から全米女子オープンのスポンサーを務める。その結果、同大会の賞金総額はこれまでの550万ドルから1,000万ドルと2倍近く増額。さらに今後、5年間をかけ総額は1,200万ドルにまで増えることも明らかになっている。
プロメディカ は、オハイオ州に本部を構え28州にまたがって各コミニュにティーに医療システムを提供と全米規模で活動している。だからこそ、75年以上の歴史と女子ゴルフ界で随一の伝統と格式を誇る同オープンのパートナーを務めることは、自分たちの認知度を高める場として適している。実際、CEOはリリースでこう述べている。
「プロメディカが健康に対する社会的決定要因について、全国規模で展開することの利益を得られるでしょう」
Our partnership with @ProMedicaHealth is raising the stakes and taking the #USWomensOpen to new heights. pic.twitter.com/XJpikxJ3Si
— U.S. Women's Open (USGA) (@uswomensopen) January 7, 2022
大会の公式ファンドとなり、資金調達の大きな助けに
また、このスポンサーシップで言及したいのは、プロメディカが運営しているチャリティー基金『プロメディカ・インパクト・ファンド』が大会の公式チャリティーとなっていることだ。今回の契約締結を発表したリリースによると、同ファンドは個人とコミュニティーの健康改善を目的とした助成金、インパクト投資、研究や学習活動へ戦略的な投資を行うため今後8年間で10億ドル以上の資金を調達することをコミットしている。
プロメディカ自身に加え、ファンドの存在をPRするのにこの契約は大きな助けになる。また、ゴルフは富裕層に人気のスポーツであるところも、ファンドへの寄付を募る上で効果的だ。
スポーツ団体、チームのパートナーになり自分たちの社会貢献の認知度を高めるだけでなく、さらに大きく発展させるための起爆剤として利用する。その意味でこのパートナーシップがどんな効果を実際にもたらしてくれるのか興味深い。