・食品メーカーによる大型スポーツイベントでのアンブッシュマーケティング
・試合のTV中継中のCMに登場した企業にまつわるものをプレゼントするTwitterキャンペーンを実施
・投稿のインプレッションは350万到達、公式アカウントのフォロワーも9.5%増加。


他社のCMに便乗することで注目を集めるキャンペーン

アメリカの有名ホットソースブランドのフランクスは、北米アメリカンフットボールリーグの決勝戦スーパーボウルの公式スポンサーではないが、試合当日の午後3時30分から11時59分までの間、名物のCM合戦に便乗したTwitterキャンペーンによるアンブッシュマーケティングを展開した。ちなみにホットソースは、日本ではあまり馴染みがないが、辛味のあるソースで肉料理に使うなどアメリカの家庭では一般的なものだ。

同社のキャッチコピー「put that shit on everything(ソレを何にでもかけろ)」になぞらえて、「put that emoji on everything(その絵文字を何にでもかけろ)」と題し、試合途中のCMで流れる企業の商品やサービスを賞品として提供する懸賞(Sweepstakes)を実施したのだ。応募方法は簡単で、公式アカウントをフォローし#FranksSweepstakesのハッシュタグと、唐辛子の絵文字に加え、希望賞品を示す絵文字を投稿するもの。

 

例えば試合中に対象となる車のCMが流れ、それが欲しいと思えばTwitterで指定のハッシュタグ、唐辛子の絵文字、車の絵文字を投稿すれば応募完了という具合だ。対象となったのは14のカテゴリーに分かれお菓子や歯磨き粉といった日用品から、アボカドにかけたメキシコ旅行、さらには車までが含まれ注目を集めた。

新車や旅行などを賞品として用意することは一般的に考えれば非常に高額な投資になるが、スーパーボウルで数十秒のCMを流すためには約5億円もの費用がかかると言われている。それと比較して、数千万円の投資で同等以上の広告価値を生み出すことができればアンブッシュキャンペーンとしては大成功と言えるだろう。

取り上げられた公式スポンサーも反応することで盛り上がる

この企画では、TVで対象カテゴリのCMが流れると、それを受けて即座に同社のTwitterでコメント。それに言及された企業の公式アカウントがさらに反応するなど、SNSの相乗効果で盛り上がった。本キャンペーンを請け負った広告代理店によると、40ものブランドがフランクスのキャンペーンに関連付けられ、45,000人が#FranksSweepstakesのハッシュタグを投稿。インプレッション(投稿の表示回数)は350万に達したという。公式アカウントのフォロワーも9.5%増加し、中にはグラミー賞を受賞している有名歌手なども反応を示したことで更なる注目を呼んだ。

こうした成果の結果、スーパーボウルに関連するキャンペーンの中で公式スポンサー以外の企業で最も話題に上がったとしてTwitter社が公式に「インターセプション賞」をフランクスに授与している。

スーパーボウルはアメリカ人にとって年に1度の特別なイベントで、国民の注目をそこから外すことは困難だ。その状況を逆手に取り、あえて公式スポンサーである他社のCMをしっかり見るように仕向け、結果的に自社のアンブッシュマーケティングを盛り上げるという、逆転の発想から生まれたキャンペーンであった。