新型コロナウィルス感染拡大によって、アメリカでは多くのスポーツイベントが中断され、リーグ・チームでは収入が急減している。米国ラグビー協会や、アメリカンフットボールリーグXFL等のニッチスポーツリーグでは破産申請するケースまで出てきている。プロスポーツにおける主要収入源は、チケット収入、放映権収入、スポンサー・広告収入、マーチャンダイジングだ。コロナ禍によって、チケット収入はご想像通り壊滅的なダメージを受けているが、放映権収入とスポンサー・広告収入は基本的にシーズン前に年単位での契約を行っているため、さほど打撃を受けていない。

しかし、多くのスポンサー各社はスポンサー費を期初にまとめて支払ってしまっているものの、試合が開催されない為に、その金額に見合う露出・広告を享受できていないというジレンマを抱えてる。そのため、特に経営の苦しくなってきている企業は、スポンサー費用の返還・支払い停止を求める事例も発生している。このような中、アメリカの各スポーツリーグ、チームはこの状況を乗り越えようと様々な工夫を凝らしている。その事例を紹介していく。

リモートでのライブ・イベント開催

この最たる例が、4月に北米プロバスケットボールリーグNBAとスポーツ専門局ESPNがTV上で実施した、ホースチャレンジと呼ばれるシュートマッチだ。これにはNBAと女子リーグ・WNBAの現役選手と引退選手が参加し、現役トップともいえるクリス・ポール、トレイ・ヤング、ザック・ラビーンらが連ねたことで注目度は高いものとなった。開催にあたりNBA大手既存スポンサーのステートファームの名前を冠しており、スポンサー費用の未消化分を当てられている。

上記以外にも、4月24日にオンライン上で行われた北米アメリカンフットボールリーグNFLのドラフトにおいては、デジタル部門が発展しているマイアミ・ドルフィンズが、チームアナリストによるチーム目線での実況をFacebook上でライブ配信した。そのライブ実況中に、ビールブランドのバドライトセルツァーの宣伝を入れ込み、チームスポンサーのアクティベーションを図ったのだ。

モバイルゲームとのタイアップ

北米プロ野球リーグMLBのチームでは、バーチャル野球を楽しむことができるモバイルゲーム『PlayLive』を導入し、その内にスポンサー名を露出する例が増えている。例えば、ロサンゼルス・エンゼルスやワシントン・ナショナルズはスポンサーのコカ・コーラの名前をゲーム内に表示している。

このゲームはファンが一人でも楽しむことができるが、特徴的なのはチームが定期的にこのゲームで大会を行い、ファンと選手と直接対戦することができる点だ。スポーツイベントの中断や対面でのイベント開催が難しいなかで、ファンと直接エンゲージメントを図ることができる。

また、このモバイルゲームの活用はMLBのチーム以外にも、米国で大人気カーレースNASCARとコカ・コーラ、NBAのアトランタ・ホークスと地元ジョージア州のロッテリー(宝くじ)協会等様々なスポーツで実施されている。

上記の様なオンラインでの取り組みや新たなサービス導入はファンエンゲージメント向上のみならず 、コロナ禍に屈しない前向きな姿勢を打ち出し、チームとそれを支援する企業の信頼を高めることにも寄与するだろう。

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