・自動車メーカーのトップ選手へのスポンサーシップ施策
・コロナ禍で観客の入場制限が行われる中、大きな大会に出場する選手に向けたファンの応援メッセージをSNSにて募集。
・集まったメッセージをポスターにして、大会が開催される街中に掲出。


ナダルの4大大会史上最多タイ20勝がかかる大会

2004年、韓国の起亜自動車は、当時19歳だったスペインのテニスプレイヤー、ラファエル・ナダルをグローバルアンバサダーとして迎え入れると、以降15年以上長きに渡りパートナーシップを構築してきた。現在、名実ともにテニス界最高峰の現役プレイヤーの1人である彼は、同社にとって重要な存在となっている。

そして5月の開催が延期となり、9月末からようやく行われた4大大会の全仏オープンではロジャー・フェデラーに並ぶ4大大会史上最多タイの通算20勝をかけて参戦した。本来であれば、その歴史的瞬間を見ようと多くのファンで埋め尽くされたであろうスタジアムの客席は、新型コロナウイルスの影響で1日の観客動員数が1,000人までに制限されるなど、従来の大会とは大きく異なる環境での戦いを強いられた。

こうした状況において、起亜はナダル本人と彼を応援に行けないファンを繋ぐ企画を展開した。同社は20勝を目指すナダルにかけてSNSキャンペーン#TakeOn20を開始。世界中のファンへインスタグラムのストーリーズで彼への応援メッセージの投稿を呼びかけた。ファンが思い思いのメッセージを指定のハッシュタグ#TakeOn20とともに投稿すると、同社はそれらをポスターにしてパリの街中いたるところに貼り出した。さらには、ナダルが試合に向かう移動の途中や大会期間の滞在中に必ず目にすることができるようにパリ市内の巨大な広告塔等にも投稿された応援メッセージを映し出し、ファンの思いを届けたのだ。実際にナダル本人も、自身のインスタグラムでパリ街中に自身への応援メッセージが掲示されている様子を投稿し、同社とファンへの感謝を伝えている。

そしてナダルは全仏オープンを制覇し、見事に20勝目を挙げる。起亜は「#TakeOn20」で寄せられた数多くの投稿とともに彼の快挙を祝福した。

観客数が制限される中でデジタルとリアルを融合した施策

コロナ禍においては、観客の収容制限や移動制限等、物理的な制約が増える中でデジタルの活用は避けて通れない。今回のキャンペーンはデジタルとアナログの融合が優れている事例と言える。SNS上で様々な取り組みが乱立する中、それをリアルの場に表現するアナログな手法を取り込んだことで、いわゆる“SNS映え”するシーンを創出した。それがさらなるデジタルでの拡散につながる仕組みだ。デジタルの良さとアナログの良さ、それぞれを活かしたキャンペーンであった。