・ビールブランドとアスリートのパートナーシップ
・契約アスリート、メッシが同一チームで最多得点の世界記録644ゴールの達成をしたのを記念し、644本の特注ボトルを製作。
・これまで得点を奪われたゴールキーパー達に自分が決められたゴールの数字がプリントされたビールを送り、ビールを受け取ったキーパー達もSNSに祝福のメッセージとビールを投稿。(未契約の選手の巻き込みに成功し話題化)


メッシにゴールを奪われたゴールキーパーに記念品を贈呈

アスリートとパートナーシップ契約を結んでいる企業にとって、その選手が際立った活躍や偉大な記録を打ち立てた時は、いつも以上に注目度が高まっている訳で自分たちがサポートしていることをPRする絶好の機会となる。その代表的な例として今回、紹介したいのがビールブランドのバドワイザーによるサッカー界のスーパースター、リオネル・メッシを通してのアクティベーションだ。

バドワイザーは9月にメッシと契約を結んだことを発表し、経済メディア『フォーブス』は期間を3年と報じている。これを記念し、早速メッシのイラストが入った瓶ビールが母国アルゼンチン、所属クラブのバルセロナがあるスペインに加え、チリ、コロンビア、中国、ロシア、ベトナムらの一部バーで提供されたり、店舗で販売された。

そして12月22日、メッシがスペインリーグのバジャドリード戦で同一クラブでの最多得点の世界記録更新となる644ゴールを挙げたことを記念する大規模な企画を実施し大きな注目を集めた。バドワイザーは、このメッシの偉業を称えるべく644本の特注ボトルを製作。これだけならありがちなものだが、それをメッシに得点を奪われたゴールキーパーに送ったのだ。

自分たちが契約を結んでいない選手にPRを促す施策

ボトルには、1から644の数字がプリントされていて、それぞれゴールキーパーには自分が決められたゴールの数字が入ったボトルが贈呈された。そして、ジャンルイジ・ブッフォン、ヤン・オブラクといった世界的知名度を誇るキーパーたちが、自身のSNSなどに送られたボトルと一緒に撮った写真を投稿することで、この企画の存在が多くのスポーツファンに浸透した。投稿の中には広告を表す#adが入っているものもあり、バドワイザーから投稿を依頼しているものもあるとみられる。

今回、同社はメッシと契約を締結したばかりであるが、この偉業にすぐに対応したプロモーション実行し、粋な計らいをすると特にスポーツファンからのブランドイメージ向上を勝ち取った。また、メッシに得点を奪われたキーパーは160名に及び、その中には前述したブッフォン、オブラクなどスター選手も少なくない。彼らにとっても自身の露出度、イメージ向上につながるので、このボトルをもらったことをメッシへの祝福コメントと共にSNSなどで投稿しやすい。

結果としてバトワイザーは契約を結んでいない人気アスリートが、自分たちの肝入りのプロモーションの告知を協力してもらえる状況を作り出した。記録達成を祝うPR自体はよくあるものだが、その方法は多くの企業が見習うべき着眼点を持っている。