・フードデリバリー企業とプロスポーツリーグのパートナーシップ
・チームのアパレルグッズ製造などを行うFanaticと提携して、チームグッズのデリバリーを実施
・食べ物をオーダーするのと同じ手軽さで、グッズを購入できる


Postmates、オンデマンドデリバリーのNFL公式パートナーに

新型コロナウィルス感染拡大により多くの業種が甚大な被害を被っている中、数少ない成長を見せているのがフードデリバリー業界だ。感染防止で外食を避ける人々が増えることで、ニーズが高まっている。日本においてもUber Eats、出前館といった同サービスの利用者がこの1年で大きく増加している。

このような需要の高まりを受け各企業が自社のPRに力をいれる中、7月Uberに買収された配達サービスのPostmatesは今シーズンから北米アメリカンフットボールNFLの公式フードデリバリーパートナーとなった。全米1の人気スポーツであるNFLを通しての広告の掲出は、同社の知名度を大きく高める助けになる。

また、NFLの試合といえばアメリカで最も多くのTV視聴者を獲得しているコンテンツだ。そして試合は約3時間と長く、何かしら食べ物を口にしながら見るのが一般的となっている。そこで試合途中にPostmatesのCMを流せることは、サービス利用促進への多くの効果を見込めることが間違いない。

『TechCrunch』によると、同社のビジネスデペロップメント部門の副代表は契約発表時に次の声明をリリースしている。「ファンの皆さんは今シーズンNFLをこれまでになく自宅のソファーで見ることになるでしょう。PostmatesがNFLで初のオンデマンドフードデリバリーのパートナーになるのは完璧な組み合わせです」

このリリースで言及されているように今はコロナ禍により各チームが大幅な観客制限、もしくは無観客での試合開催を余儀なくされている。また、外で大声を出すことを自重しないといけない今、スポーツバーなどで試合を見る人も大きく減った。それは、これまでにない多くのフットボールファンが自宅観戦していることを意味する。だからこそ、同社にとっては公式スポンサーで得られる効果はより大きくなり見事なタイミングでのスポンサー契約と評価されるものだ。

試合当日、パートナーチームのアパレルグッズを注文できるポップアップストア開設

また、ただTV中継を通して自社の告知を行うだけなく、ファンの興味をひくための仕掛けもやっている。その中でも注目すべきは同じくNFLのパートナーでありアパレルの製造、販売を手掛けるFanaticと共同でチームグッズのデリバリーを行ったこと。

これは10月26日に行われたロサンゼルス・ラムズのホームゲームで実施された。元々、PostmatesはNFLだけでなく、ラムズ、ボルティモア・レイブンズとも個別にパートナー契約を締結している。そして試合当日の午前10時から夜のキックオフ時間まで、ラムズの本拠地ロサンゼルス周辺地域を対象にPostmates上にラムズのTシャツ、パーカー、帽子などを扱うポップアップショップが登場。フードデリバリーと同じように注文できるサービスを提供したのだ。

いつも以上にチームへの応援熱が高まっている試合当日、食べ物をオーダーするのと同じ感覚で気軽にアパレルが注文できるのは、ファンにとって思わず財布の紐が緩くなってしまう試みだ。そして、Postmatesにとってはアパレル売り上げの収入を得られるだけでなく、ロサンゼルスという巨大市場において多くのスポーツファンのブランドイメージを高められることも大いに期待できる。

今回のPostmatesの取り組みはスポンサーとなったチーム、リーグだけでなく同じパートナー企業をうまく巻き込んでシナジー効果を生み出す。パートナー同士の連携をうまく行った事例として参考になるものだ。