・ECテックベンチャー企業とプロスポーツチーム(NBA)のパートナーシップ
・練習場のネーミングライツ、チームのスター選手を起用したCM制作、ユーザー獲得のデジタルキャンペーンまで幅広い取組を展開
・また、コロナ禍におけるEC需要の高まりを背景にグローバル戦略を進めるため、グローバルで人気を高めるNBAを活用


ベンチャー企業がNBAクリッパーズのユニフォームにパッチロゴ掲出

2012年に創業したロサンゼルスを拠点とするベンチャー企業Honeyは、地元の北米プロバスケットボールNBAクリッパーズとのパートナーシップを拡大すると発表した。同社が展開するサービスは、あるアイテムをECサイトで購入する際に、複数の出店元を自動的に検出。利用者が、簡単に比較して購入できるものだ。ブラウザに無料でアドオンするだけで利用でき、最安価格の提示だけでなく、クーポンやキャンペーンによる割引等も自動的に反映してくれる。購入を検討している商品を登録しておけば、セール等で価格が落ちたタイミングで通知してくれるなど、オンラインショッピングを効率的かつ経済的にしてくれると現在世界中に1700万人以上のユーザーがいる。

クリッパーズとのパートナーシップは、2019年に練習場のネーミングライツ獲得から始まった。そして間もなく始まる2020-21シーズンからはユニホームの胸にHoneyのパッチロゴが掲出されることをはじめ、チームのブランド力を活かし国際的なマーケティングを展開していく計画が明らかにされた。さらに、試合放送における露出の拡大に加え、SNSの活用やデジタルでの懸賞企画等が検討されているという。この発表と同時に、Honeyユーザーがクリッパーズの公式ECサイトから新ユニホームを購入すると15%オフになるキャンペーンを実施している。

コロナ禍においてECの需要が世界的に高まっていることは言うまでもなく、これまで店舗販売が中心だった業態でもオンラインでの販路拡充を迫られている。この情勢において、Honeyは今が攻め時と判断したのだろう。全世界にファンを抱え、多くの視聴者が目にするユニフォームにロゴを掲出することは同社の知名度をグローバルで各段に押し上げる効果が期待できる。

実際に、チームの中心選手でありNBA屈指の名プレイヤー、カワイ・レナードが出演した昨年のCMは、これまでにYoutubeで28万回以上再生されている。同社の公式チャンネルで他に公開されている動画はおおむね数千という再生回数であることを見ると、NBAチームとのパートナーシップ、そしてスター選手の起用がもたらす影響の大きさがよくわかる。こうした実績が今回の拡大に繋がったのだと推察される。

「安く購入できる」自社サービスのイメージをファンに定着させるアクティベーションを展開

また昨シーズン、同社はアクティベーションの一環として『Honey Steal of a Deal(お得をスティール)』キャンペーンを展開した。これは全ホームゲームのチケットの一部を10ドルと格安で提供するもの。これは試合開始1時間半前からホームアリーナであるステープルズセンターにて数量限定で販売され、その際チームカラーである赤と青の服を身に着け、Honeyのインスタグラムをフォローすることが購入の条件とされた。この企画はHoney=「ものを安く買える」というイメージをクリッパーズファンに定着させるだけでなく、クラブ側としても残ったチケットをたたき売りに見えない形で計画的にさばくことができる、両者だけでなく、ファンにとってもメリットのある企画だった。

買い物の在り方が世界的に大きな変革期を迎える中、ECユーザーに寄り添いかゆい所に手が届くサービスを次々と実現してきたHoneyが、今後クリッパーズを通じてどのようなを発信していくのか、注目していきたい。