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ペットフード会社が、MLSで目指すペットに優しいスタジアム

https://twitter.com/stlCITYsc/status/1377277926765432832


・ペットフード会社と2023年に設立される地元プロサッカーチームのパートナーシップ
・チームと主催でのペットの里親募集、ペットをスタジアムに連れての試合観戦イベント等を実施予定
・さらにファンディングパートナーとして建設中のスタジアムにも関わり、ペットに優しいスタジアムを目指す


ペットフード会社ピュリナ、地元MLSセントルイスのメインスポンサーに

北米プロサッカーリーグは、1996年スタートとアメリカのプロスポーツリーグの中では後発で発足当初は10チームだったが、着実にチーム数を増やすと今シーズンはオースティン FCの新規参入で27チームに拡大している。この方針は続いており、2022年にシャーロットFC、2023年にはセントルイスシティSCが新規参入を果たす。セントルイスは本来なら2022年からの参入予定だったが、コロナ禍の影響でリーグデビューが1年遅れる。ただ、すでにチームは来るべきリーグデビューに向け、着実に準備を進めている。

その代表的な出来事が、4月1日に発表されたパートナーシップ契約だ。世界的食品会社ネスレ傘下で、セントルイスに本社を構えるペッドフードのピュリナ社がユニフォームの胸スポンサーかつ、新スタジアムとトレーニング施設のファンディングパートナーとなる。ちなみにユニフォームに関しては、アディダスがサプライヤーを務めることも決まっている。

セントルイスにとって、世界中に販売網を持つ業界屈指の大企業であるピュリナが上記のようにチームに深く関わってくれるのは心強いサポートだ。一方、ピュリアにとっても本社からわずか数キロ圏内に新スタジアムが作られるセントルイスは、自分たちの地域貢献活動を展開するのにうってつけのチームだ。

”リーグで最もペットに優しいスタジアム”作りを目指す

当然これから、両者がどんなアクティベーションを展開していくのか現時点では不確定な部分は多い。ただ、“リーグで最もペットに優しいスタジアム”を目指すと明確な方針を打ち出しているのはインパクト大のメッセージだ。今回の契約を報じているMLS公式HPの記事では、チーム主催でのペットの里親募集、ペットをスタジアムに連れての試合観戦イベントなどを候補に挙げているが、これら王道の企画以外にもどんな試みが行われるのか注目だ。

また、ピュリアはファンディングパートナーとして建設中の新スタジアムにも携わっていくと見られる。ペットについて熟知している同社の知見をどのように取り入れ、リーグ1のペットに優しい本拠地を作り上げていくのかは興味深い。この取り組みが成功し、ペット連れに快適な試合観戦を提供することは、同社の大きなブランドイメージ向上につながることは間違いない。

一方、セントルイスにとっても、他にないペット連れに快適なスタジアムを作ることができれば、新たな観客の開拓につながり大きなプラスだ。そして、ペットに優しいという際立った個性があることは、これからのスポンサー獲得にとっても大きなセールスポイントとなり、営業活動をやりやすくなるだろう。

他にもセントルイスの筆頭オーナーはMLS初の女性となるカロリン・キンドル・ベッツだが、ピュリナのCEOもニーナ・リー・クルーガーも1894年創業と同社の長い歴史の中で初の女性CEOとなる。プロスポーツチームと、メインスポンサーの双方のトップが女性であることはまだまだ珍しく、ペットと女性向けのサービスが行き届いたスタジアムであり、チームとなれば大きな特色だ。すでに独自性を確立しつつあるセントルイスが、どんなチーム作りを行っているか、フィールド外の取り組みも楽しみだ。

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ライター:鈴木栄一

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