・全国スポーツ連盟、行政、地元の団体、企業(ディスカウントスーパー)が連携して、女子スポーツの地位向上を目指すプロジェクト
・一貫した支援活動でスーパーのターゲットである“女性”を対象にし、コミュニケーションを仕掛ける
・2020年のオリンピックを意識したキーワードを使って、積極的にアンブッシュマーケティングを実施
・アイルランドの伝統的スポーツ「ゲーリックフットボール」にも冠協賛し、店舗の売上の一部が、ユース選手のジャージやスポーツ用品購入に充てられ、チームへプレゼントされるキャンペーンも実施
女子スポーツの活性化を目指す「#20×20」キャンペーン
ドイツ発で世界中に展開するディスカウントスーパーチェーン、リドル(Lidl)のアイルランド支社となるリドル・アイルランドが、10月から始まった女子スポーツの活性化を目的とした“#20×20”キャンペーンにスポンサーとして参加することを発表した。
これはアイリッシュスポーツ連盟が発表したキャンペーンで、行政や地元スポーツ団体、そしてスポンサーが連携し、アイルランド社会における女子スポーツの地位向上を目的としている。具体的には2020年までにスポーツへの女性参加者数(選手・コーチ・レフリー・組織で働く女性含む)、女子スポーツのメディアへの露出、女子の試合やイベントへの観客数をそれぞれ20%増加させることをを目指す。“20”や“2020年”というキーワードは2020年の東京オリンピックを意識し、オリンピックに関連したキャンペーンだという印象を与える可能性があり、一種のアンブッシュマーケティングとも言えるだろう。
#CantSeeCantBe #20×20 #showyourstripes pic.twitter.com/wbC1IoAREH
— 20×20 (@20x20_ie) 2018年10月15日
リドル・アイルランドはこのキャンペーンのアンバサダーとして、女子のゲーリック・フットボール(サッカーとラグビーを合わせた様な競技でアイルランドの国民的スポーツ)の人気選手を起用した。また、新聞・雑誌への広告を通して、2020年までに女子スポーツへの参加とメディア露出増加を奨励している。
リドル・アイルランドによる女子スポーツリーグ支援
また、同社はこのキャンペーンよりも以前から手厚く女子スポーツを支援してきた。2016年に前出の国民的人気スポーツ、女子ゲーリック・フットボール協会(LGFA)との250万ユーロ(約3億2千万円)のパートナーシップを発表し、LGFAを支援している。さらに今年の5月には、300万ユーロ(約3億8千万円)で3年間の契約延長を発表した。公式小売業パートナーと、リーグのタイトルスポンサー契約が中心であるが、他にも様々な取り組みで支援している。
選手を起用した広告の他、リドルが販売する水を購入すると売上の一部がジャージやスポーツ用品購入に充てられ、LGFAのローカルユースチームへプレゼントされるキャンペーンの実施。また、抽選でスター選手による指導を受けられるプロモーション展開など、少女と選手達との交流も支援している。他にも独自に女子選手が抱える問題等の実態も調査。その結果を自社サイトで公表し、どうしたらこの状況を変えられるか、リーグと一緒に取り組んでいる。 その取り組みも後押ししたのか、2017年シーズンのLGFAのリーグファイナルはリーグ史上記録的な来場者数となった。
It’s official, we have a record breaking number in attendance here at Croke Park today, 50,141 people! Now that is some #SeriousSupport! pic.twitter.com/VvyJXGz0sq
— Lidl Ireland (@lidl_ireland) 2018年9月16日
スポンサーしているリーグと共に成長
リドル・アイルランドのマネージングディレクターは「店舗には地元の学校やクラブチームからたくさんの好意的な声が来ており、試合へのサポートに対する評価も得られている。LGFAへ合計550万ユーロをこの5年間で投資しているが、我々のサポートで女子ゲーリックフットボールの認知度がさらに向上することを楽しみにしている」とコメントしている。