・オンラインカーディーラーによる大型スポーツイベントでのアンブッシュマーケティング
・大会のTV中継で放送されるCMに注目が集まることから、各CMをモチーフに自社で扱う自動車をPRするクリエイティブをリアルタイムに作成しSNSで投稿
・CM関連のネット検索が増えることから、関連するキーワードで検索すると検索結果画面に自社広告を表示するリスティング広告を実施
各社のCMをモチーフにしたアンブッシュマーティング
北米アメリカンフットボールNFLの王座決定戦であるスーパーボウルは、毎年全米で1億人以上がテレビ視聴すると言われる国民的一大イベントだ。そのCM枠は、宣伝効果の高さから30秒で5億円以上とも言われている。 そんな背景もあり、毎年各パートナー企業が繰り広げるCMすらも、試合における楽しみの一つとなっている。
今回、このCM合戦を利用して、1998年創業の米国シカゴに本社を構えるオンラインカーディーラー、カーズドットコムがアンブッシュマーケティング を行った。その内容は、他社のCMをモチーフにして、自社で取り扱っている自動車をSNSでプロモーションするというものだ。
例えば、ビールブランドのミケロブ・ウルトラはロボットを起用したCMを放映したが、その中に同社が取り扱うジープのラングラー車が映り込んでいた。そこで、ロボットの動きをする女性や、どのシーンでその車が出てきたかが分かるクリエイティブ画像をTwitterに投稿している。
<ミケロブ・ウルトラのCM>
.@MichelobULTRA Not even a robot can resist the rugged look of the Jeep Wrangler, which we just spotted stealing the spotlight in this ad. https://t.co/pCb3yuKYNy pic.twitter.com/BOfspYEhQE
— Cars.com (@carsdotcom) February 4, 2019
<ミケロブ・ウルトラのCMをモチーフにしたカーズドットコムの投稿>
SNSに加え、リスティング広告まで使用
同社は、数年前からスーパーボウルのCMで映った自動車を視聴者が検索し、ウェブサイトへのトラフィックが大幅に増加することに気づき、今回のプロモーションに踏み切った。実施する上で、大会前に公開されていた広告に対しては事前に画像を作成したが、当日公開されたものに対してはその場で対応したという。
加えて、Googleなどで検索したユーザーにサイト来訪を促すため、検索結果の上位に広告を表示させるリスティング広告も活用している。例えば、「bubly bublé super bowl ad(バブリー ブーブレ スーパーボウル 広告)*」(*bublyは炭酸水メーカーのバブリーを意味し、bubléはバブリーがCMに起用した歌手のマイケル・ブーブルを意味している。)と検索された際には、同社の広告が検索結果上に表示された。ユーザーの興味を引けるように、タイトルと説明文がCMの内容になぞらえたものとなっている。
今回、同社はCMを見て検索する視聴者の行動を見越して、様々な手法を活用している。視聴者やファンの熱が最も高まる「その瞬間」を掴むのがアンブッシュマーケティングでは重要であり、そのためには綿密な事前準備が大切であることを教えてくれる。